「新しいNISA」の制度概要が明らかとなった。有利に資産形成をするにはどう使うのがいいのか。経済評論家の山崎元さんは「金融資産をNISA口座に早く寄せること、全世界株のインデックス投信一本のみに投資すると決めておくこと、これが新しい制度をうまく使う2大原則です」という――。
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首相の一言を最大限利用した大きな刷新

NISA(少額投資非課税制度)が大きく刷新されることになりました。

これまで、現行の一般NISAが2023年で終了して、2024年から2階建ての構造を持つ新しいNISA制度がスタートする予定でしたが、この「2階建てNISA」が取りやめとなり、制度と金額的スケールの両方が大きく変わる新しいNISA制度(以下「新しいNISA」)がスタートすることになりました。

新しいNISAは、岸田文雄首相が就任とともに掲げた「新しい資本主義」の検討に伴って出てきたものです。岸田首相がたまたま発した「資産所得倍増計画」という言葉を具体化する必要性から生まれました。これまでのNISA制度にあって課題とされていた問題の多くが解決されています。「首相の一言」を最大限に利用してよくここまで仕上げたものだと、関係者の努力に感心します。

新しいNISAのポイントを簡単にまとめます。以下の6点です。

【図表】新しいNISA「6つのポイント」全概要