都心→高尾→山形県遊佐町へ山と植物に魅せられて移住

【2022年5月~ 山形県遊佐町に移住】渡辺まおさん

渡辺まおさん
山形県遊佐町の地域おこし協力隊として勤務・28歳。地域のお手伝いをしている夫(29歳)と2人暮らし。東京では都市計画コンサルタントの仕事をしていた。山と植物が大好き。
地域おこし協力隊として3年間は家賃がタダ

大学~大学院で建築や街づくりを学び、卒業後は「都市計画コンサルタント」として働いていました。都心在住中、コロナ禍のリモートワーク期間に、夫と散歩に出るのが日課となり、図鑑を買って草や花の名前を覚え始めたら、おもしろくなって、もっと山や木があるところに行きたくなりました。遊佐町ゆざまちは、学生時代から年に1、2回遊びに来ていた場所。当時は仕事を辞めて遊佐町に行くことは考えられなかったので、東京で働きながら山の近くに住もうと、高尾に引っ越しました。週末に夫婦で高尾山近辺の山に登り、1年で高尾に生えている木の名前がほぼわかるくらいになりました(笑)。

高尾で暮らすうちに仕事と自分の軸がズレてきたため転職を考えたのですが、転職したらしばらくは東京にいることになるから、今が出るタイミングなんじゃないかと夫と話し合っていたところ、遊佐町で地域おこし協力隊の募集が始まったので、思い切って応募して移住しました。

左上/町のどこからでも見える鳥海山。右上/週末は夫と森をお散歩。左下/家の近くの西浜海岸に沈む夕日。右下/鳥海山の中腹にある鳥海湖(7月上旬)。
左上/町のどこからでも見える鳥海山。右上/週末は夫と森をお散歩。左下/家の近くの西浜海岸に沈む夕日。右下/鳥海山の中腹にある鳥海湖(7月上旬)。

今は地域おこし協力隊のDX推進支援担当として、町役場で平日8時30分~17時15分で勤務しています。3年間はお給料が出て、家賃はタダ、車も1台支給されています。私と同業種で働いていた夫は、地域のお手伝いをしながら、食べ物や手間賃をもらっています。

遊佐町は、鳥海山ちょうかいさんという美しい山の麓にある町で、いたるところに湧き水が出て、川をサケが遡上そじょうし、畑の水が枯れることなく、海底湧水で天然の岩ガキが育つ自然豊かな環境。自宅は平屋の一戸建てで140平方メートルくらい、5DKです。毎日誰かと会うたびに採れた野菜や釣った魚を分けてもらうから、出費は肉と社会保険料、税金くらい。車があればコンビニにも行けるので、それほど不自由ではありません。「東京にいると見通せる未来は1つだけど、ここに来れば未来が全方向に広がって楽しい!」と思って移住しました。3年間で次に何をするのか、地域に住みながらじっくり考えられるので、協力隊の制度はありがたいです。

左/家の玄関の様子。たまに隣の家の猫が遊びに来る。右/普段働いている遊佐町役場。
左/家の玄関の様子。たまに隣の家の猫が遊びに来る。右/普段働いている遊佐町役場。
家計の変化
●3年間は家賃がタダ
●毎日近所の人から野菜や魚をもらう
●支出は税金と社会保険料くらい
よかったこと
●山とともに生きる生活ができる
●湧き水がおいしい
●将来の選択肢が増えた
想定外のこと
●車の維持費がかかりそう
●たまに料理を続けるのがイヤになる
●冬の生活が不安