東京の仕事を完全リモートで続けつつ、仁淀川の美しさに癒やされる日々

【2020年3月~ 高知県いの町に移住】佐久間寿弥子すみこさん

佐久間寿弥子さんご夫婦と猫
リモートワークで東京のお菓子会社に勤務する会社員・40歳。高知の銀行に転職した会社員の夫(42歳)と2人+猫2匹暮らし。日課は毎朝のランニング。実家は神奈川県横浜市。
きっかけは、夫と参加した移住ツアーでの出会い

2018年に結婚した直後、夫が「移住したい」と言い出しました。旅好きな私が「旅行のチャンス!」と思って参加した高知県の移住ツアーで、夫は移住の先輩方とすっかり意気投合。20年3月、新型コロナが大流行する前に移住しました。

「アウトドアオフィス」と呼んでいる仁淀川沿いの公園。気候がいいと外での仕事も快適。
「アウトドアオフィス」と呼んでいる仁淀川沿いの公園。気候がいいと外での仕事も快適。

「移住するなら仕事を辞めないと」と、転職して間もない会社に辞職を申し出ると、初めてのテストケースとしてフルリモート勤務をさせてもらえることになったのです。今は、平日9時30分~18時にフルタイムでリモート勤務し、1~2カ月に1度、東京に出張しています。夫は、東京で勤めていた会社を辞めて、高知で同業種の会社に転職しました。

高知には独自の「二段階移住」という制度があります。これは、移住者はまず高知市内に住み、都会とのギャップをそれほど感じない環境のなかで、もっと自然豊かな周辺の地域の情報を得てから、本格的に移住する場所を決めるというものです。このとき、各地を回るレンタカー代や、引っ越し代などをサポートしてもらえる仕組みです。

私たちも最初は高知市内の夫の会社の社宅に住んでいましたが、拾った猫を飼いたくて、ペット可のマンションに引っ越し、それから夫の上司が紹介してくれた、いの町の3LDK・70平方メートルの一戸建てに移りました。地方ではネットよりも、地域の人のクチコミ情報が頼りになります。

左/自宅から歩いて3分の仁淀川。毎朝、この土手をランニングしている。右/夫婦でよさこい祭りに参加。
左/自宅から歩いて3分の仁淀川。毎朝、この土手をランニングしている。右/夫婦でよさこい祭りに参加。

自宅の家賃は、2台分の駐車場付きで6万3000円。東京の家賃の3分の1以下です。毎朝のランニングで仁淀川の四季折々の自然に癒やされ、家では2匹の猫に癒やされています。移住するなら「あったかくて、メシウマなところ」と決めていましたが、高知は本当に食材と料理がおいしくて感動します。

地域では、ボランティアとして地元メーカーのマーケティングのサポートをするなど、ゆるく地域貢献しています。最初は戸惑うことも多かったのですが、住めば都。それほど不便を感じることなく快適に暮らしています。

家計の変化
●家賃が3分の1以下に
●外食・レジャーを楽しんでも高くない
●世帯収入が少し減っても貯蓄は増
よかったこと
●自然豊かな暮らしで、笑顔が増えた
●気に入った農家に直接果物を買いに行ける
●「豊かさ」の新たな価値観を知った
想定外のこと
●案外、ご近所づきあいがない
●EC利用で、買い物で不便さを感じない
●プロパンガスって!?