移住者が住める物件がなかったから、自分で不動産業を始めました

【2021年12月〜 長野県佐久市に移住】桑原あやこさん

業務委託で仕事をしつつ、不動産業を行う・45歳。フルリモートで働く会社員の夫(41歳)と小学校1年生の娘(6歳)との3人暮らし。近々、移住希望者向けの民泊も始める予定。
業務委託で仕事をしつつ、不動産業を行う・45歳。フルリモートで働く会社員の夫(41歳)と小学校1年生の娘(6歳)との3人暮らし。近々、移住希望者向けの民泊も始める予定。
小学校に上がる娘の教育問題からスタート

移住を考え始めたきっかけは、長野県佐久穂町にオルタナティブ教育を取り入れた小学校ができるという情報を得たことでした。娘には自由な教育を受けさせたいと、2年がかりで移住計画に取り組みました。

まず、会社勤務を辞めて業務委託に切り替え、リモートの割合が高い仕事を探しました。そして、自分が移住しようと思ったときに住める物件がなかったので、佐久穂町で中古の一戸建てを買ってリノベーションし、移住者に貸すオーナー業を始めました。次の年に100%リモートで働ける会社と業務提携して、2021年12月に移住。夫はウェブ関係の仕事をしていて、会社に交渉して100%リモートで働くことに。

左/東京から遊びに来てくれた友人家族と自宅前で。右/平日の日中は、夫婦で並んでリモートワーク。
左/東京から遊びに来てくれた友人家族と自宅前で。右/平日の日中は、夫婦で並んでリモートワーク。

今は中古の一戸建てをリノベーションして佐久市に住んでいます。100平方メートルくらいの5SLDK。3人では広いので、1階の2部屋は移住希望者に民泊で貸す予定です。宅地建物取引士の資格を持っているので、仲介業と賃貸管理業も申請中。移住者向けの物件を増やして、空き家問題などを解決したいと考えています。

結局、娘は最初目標にした小学校ではなく、佐久市の公立小学校に通っています。でも、東京にいたらお受験に巻き込まれて悩むことが予想できたので、そういう環境からは遠ざかってよかったと思います。家計は、住居費は減りましたが、地方は水道・光熱費が高め。交際費はほぼゼロになり、大きな出費は、たまに東京に行くときの交通費くらい。

移住時に自分に課したミッションは、「地域に早く溶け込むこと」。自治会役員に立候補し、学生とイベントの企画を行い、小学校のPTA活動にも参加。積極的に関わることでスピーディーにいろいろなつながりができました。よそ者オーラを出さずに自分からアプローチしたことで、周囲に受け入れてもらえました。

左/知人の畑にお邪魔していただいた色とりどりの夏野菜。右/自宅近くの田んぼの夕景と娘の後ろ姿。
左/知人の畑にお邪魔していただいた色とりどりの夏野菜。右/自宅近くの田んぼの夕景と娘の後ろ姿。
家計の変化
●住居費は半分くらいに
●交際費がほぼゼロ
●家庭菜園&採れたて野菜のおすそわけ
よかったこと
●意外とコンパクトで生活利便性が高い
●移住のための補助金が出た
●自治会に入って地元行事に積極的に参加している
想定外のこと
●地方は水道・光熱費が高い
●遠方へのアクセスに時間とお金がかかる
●車生活で運動不足になる