自分の目標やビジョンを考える

これらを踏まえ、面接対策のポイントを押さえておきましょう。

まず、1次・2次面接では自身の経験・スキルの強みを伝えられるように整理・言語化しておくことが大切。しかし最終面接に臨む際には、自分自身の「WILL」=「自分はこの会社で何を成し遂げたいのか」「自分はどうなりたいのか」といった目標やビジョンを考えておくことをお勧めします。

ただし、注意も必要です。「WILL」を持っている人は成長可能性を感じられますが、それに固執し過ぎると逆に警戒されます。

「私はこれがやりたいので、それ以外のことはやりません」といったような印象を与え、強いこだわりを見せてしまうと、それはそれで採用を見送られてしまうことになります。人数が限られているベンチャー企業では、担当範囲外の業務にも柔軟に、臨機応変に対応していく姿勢が求められるからです。

「WILLを持ちつつ、状況に応じて柔軟に対応する。変化も受け入れ、新しいことにチャレンジする」

そんなマインドを持てば、採用される可能性は高まります。

「理念への共感」も重視される

「WILL」を語れるようにしておくことと同時に、コーポレートサイトなどを見て確認しておきたいのが、応募先企業が掲げる「理念」です。

近年は、「パーパス(存在意義)」「ミッション/ビジョン/バリュー」などとして表明する企業も多いですね。

これらを、社会に向けた「ポーズ」「建前」などと捉えている方もいらっしゃいますが、成長力が高い企業の経営陣ほど、「理念」「パーパス」「ミッション/ビジョン/バリュー」にこだわりを持ち、大切にしているものです。

採用選考において最重視するポイントとして「自社の理念に共感してくれる人」と明言する社長も少なくありません。

最終面接前には、会社の「理念」「パーパス」「ミッション/ビジョン/バリュー」を改めて理解し、自分がそれに共感できるかどうかを考えてみましょう。

できれば、これまでの自身の経験の中で、応募先企業が大切にしている理念や行動指針を体現していたことを振り返り、具体的なエピソードとして語れるようにしておいてください。

以上、女性が最終面接でつまずきやすいポイントをお伝えしました。

その他にも最終面接で不採用になる理由には以下のようなものもあります。

●謙虚な姿勢。自信がない印象に見えてしまう
●自分をアピールしようとして「自慢話」に終始し、辟易される
●1次・2次面接で語っていたこととズレがあり、不信感を抱かれる
●「内定」を確信して態度が一変。給与・待遇面などで強気の交渉を持ちかける
●経営方針や事業戦略に対して出過ぎた発言をする。自分の考えを述べたものの、的外れな内容だった

こうした点にも注意して、最終面接に臨むようにしてください。

構成=青木典子

森本 千賀子(もりもと・ちかこ)
morich 代表取締役 兼 オールラウンダーエージェント

1970年生まれ。93年リクルート人材センター(現リクルート)入社。2017年morich設立、CxOレイヤーの採用支援を中心に、企業の課題解決に向けたソリューションを幅広く提案。NPO理事や社外取締役・顧問等も務め、パラレルキャリアを体現した多様な働き方を実践。NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」出演。日経オンライン等のWeb連載のほか『本気の転職』等著書多数。2022年2月、日経新聞夕刊「人間発見」の連載にも取り上げられる。二男の母。