※本稿は、中谷充宏『30代後半~40代のための転職「書類」 受かる書き方』(秀和システム)の一部を再編集したものです。
「ありのままが良い」とは限らない
この年代となると、当然のごとくキャリアの積み方が皆バラバラです。就活生と違って、ネットや書籍で入手できる情報自体が、役に立たないケースが圧倒的に多いのです。
本人は必死ですが、転職の採用工程では通じない方法で一生懸命取り組んでいるケースを散見します。一例を挙げると「実力がある私だから、今さら転職ノウハウに溺れるなんて無用だ、素の自分を堂々と見せれば良い」という人です。
メンタル休職を例にとってみましょう。
ビジネスでは「本音」と「建前」が交錯している
このように「事実を正直にありのままに」書いて素の自分を見せて、採用人事が高く評価するとお思いでしょうか? ビジネスの世界では本音と建前が交錯しているのは、この年代なら嫌というほど体感してきたことでしょう。転職も同じで、採用人事に伝えて良いこと、悪いことは存在します。
「売り」が伝えられているか
もちろん虚偽や誇張はダメで、事実に基づいて表現しなければなりません。
表現方法を工夫しないと、優秀な人でさえ選ばれないということです。
在籍期間と勤務先、業務概要だけの職務経歴書を提出したとしましょう。
事業内容:専門商社 資本金:1,000万円 従業員:49人 未上場
業務内容:新卒入社から現在まで一貫して食材のルート営業に従事中
実は営業成績は上位入賞者レベルで、5年前に営業課長に昇進し5人の部下の育成も担っている優秀な人だとしても、この情報量では採用人事も判断しようがありません。