自分の乳房に関心を持つ「ブレスト・アウェアネス」
検診に加えて大切なのが「ブレスト・アウェアネス」という新しい考え方です。これは日頃から自分の乳房に関心を持ち、乳房を意識する生活習慣のこと。以前から「自己触診」という言葉がありましたが、「自分でがんを見つけましょう」といわれると、心理的ハードルが高く面倒になってしまうものです。「普段の乳房と変わりがないか触ってみる」程度の心がけなら実践しやすいはず。気になる変化を見つけたら、医療機関を受診しましょう。
乳房をチェックするタイミングは月経開始から10日目前後がベスト。生理前は乳腺内が固くなり、しこりのように触れますが、生理が終わった後にしこりがなくなれば気にしなくて大丈夫です。生理が不規則な人や閉経後の人なら、月に1回、例えば自分の誕生日(1月1日生まれなら、毎月1日)にチェックすると決めておくと忘れにくいでしょう。鏡でもチェックして引きつれや陥没している箇所がないか、乳首から血液の混じった分泌物が出ていないかも見ておくと安心です。
1日3杯のみそ汁で乳がんを予防する
乳がんの発症リスクを高める生活習慣として、飲酒、喫煙、閉経後の肥満、運動不足が報告されています。エストロゲンは脂肪を材料として作られるため、閉経後の肥満も乳がんリスクを高めます。また、夜勤(不規則な生活)なども乳がんを増加させる可能性があります。
一方で、大豆食品を多く摂取するほど乳がん発症リスクが低くなります。みそ汁を毎日3杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて乳がんリスクが4割低くなります。乳がんなどを引き起こす遺伝子の変異を持っている人でも、大豆食品をたくさん摂ると発症リスクが低くなるデータもあり(※)、イソフラボンには乳がん発症のリスクを下げる可能性があると考えられています。
(※)出典:Journal of National Cancer Institute 2003年95巻
リスク要因にまったくあてはまらないからといって、乳がんにならないということではありません。特に閉経後は乳がんリスクが高まるので、定期的な検診とセルフチェックは欠かさないようにしましょう。