多くのセクションと連携する仕事もリモートで完結

韓国籍のパク・ガラムさんが所属するのは事業推進部サービス企画チーム。韓国の大学で日本語を専攻していたことから、4年前、卒業を機に日本へ。1年前、ペイペイに転職を決めた。

事業推進部 サービス企画チーム パク・ガラムさん
「入社と同時に広島へ移住」事業推進部 サービス企画チーム パク・ガラムさん

「コロナ禍での転職活動はすべてオンラインでした。でも、コロナ禍ですから特別なことだとは思いませんでしたね。入社が決まったときは東京に住んでいたのですが、国内であればどこに住んでも働けると知り、広島へ引っ越しました。広島を選んだのは、平和の街に住んでみたかったから。

私の業務は、加盟店とペイペイユーザーをつなぐ新サービスを探るというもの。営業部門やエンジニアチーム、マーケティングチームなど、さまざまなセクションと連携して業務を進めますが、基本的にリモートで仕事は完結します。月に1度、東京本社に集合してチームビルディングを行うなど、直接コミュニケーションを取ることもあり、たまの出張が楽しみでもあります。東京に住んでいたころは、九州や四国はとても遠いところというイメージでしたが、今は気が向けばすぐに行ける場所。1年間、広島に住んで、次はどこに住もうか思案中。6カ月単位で都道府県を回るのも楽しそうだなと考えているところです」

現在(22年2月)、ペイペイでは海外からのリモートワークは認められていないが、国内なら日本全国どこでも居住可能。ひと昔前なら、「遊び気分で仕事をするな」と叱責しっせきされそうだが、きちんと仕事の成果と結果を出しさえすれば、居住地を縛られずに人生を楽しめるなど最高の働き方ではないだろうか。

完全在宅勤務制が転職を決めるきっかけに

半年前に転職してきたばかりのコーポレートコミュニケーション部社内広報の安田敬子さんは8歳、4歳、1歳の3児の子育て中。

コーポレートコミュニケーション部 社内広報 安田敬子さん
「子ども3人を抱えての転職」コーポレートコミュニケーション部 社内広報 安田敬子さん

「以前は出版社に勤めていました。異業種へ転職するなら年齢的にも最後のチャンスと思い、完全在宅勤務制度があることに背中を押されて入社を決めました。入社して半年の間、いちばん下の子が毎月熱を出していたのですが、子どもの面倒を見ながら仕事を続けられたのはWFAのおかげ。とても助かっています。

今の業務はオウンドメディア広報。社員に向けて、また、入社を考えている人に向けて、『この部署ではこんな人がこんな働き方をしています』と紹介記事を書くなどしています。取材・撮影のために出社することはありますが、基本、リモートワーク。チャットツールで日々コミュニケーションを取れますし、キャッチアップと意思決定がとても速い会社なので困ることはありません。以前の職場ではリモートワークを行っていなかったので、子どものお迎えや夕飯づくりで仕事を中断できるのはとても助かります」

完全在宅勤務を支援するサテライトオフィス

女性にとって完全在宅勤務の大きなメリットは、ライフステージによるキャリアの中断なしで働けること。しかし、話を聞いていると、完全在宅勤務は育児や介護だけでなく、人生を謳歌おうかする働き方なのだと気付く。生き方に合わせて、働き方を選ぶ、そんなことができるようになれば、世界から“働きすぎの日本人”といわれてきた私たちのアイデンティティーも少しずつ変わり、「仕事のために何かを犠牲にしなければならない」というのは古い考えになっていくだろう。

コロナ禍となって丸2年。完全在宅勤務、在宅と出社のハイブリッド、完全出社と働き方は多様化。どれが正解となるかは未知だが、ペイペイのこれからに注目していきたい。

撮影=田子芙蓉

江藤 誌惠(えとう・ふみえ)
ライター