【困った人 D】何度言っても理解できない、ミスを繰り返す

お悩み

勤務姿勢はまじめでいい人ですが、業務に関しては何度、説明をしても理解できないようで、ミスも物忘れも多いという部下がいます。頼んでも結局やり直すことになって余計に手がかかり困っています。

原因

生まれ持った特性が原因で理解度が低い可能性が

そもそも本人が上司の指示を聞いていない、仕事そのものに興味がない、仕事に追い込まれて余裕がないなど、いろいろなパターンが考えられますね。こういった何度言っても伝わらず、ミスを繰り返す人たちの多くは、生まれつき短期間の記憶を処理するワーキングメモリーの働きが弱い特性があります。たとえば電話番号をすぐに覚えてメモできない、3つ指示されても1つは忘れてしまうといったこと。もちろん鍛えられますが、今日明日でできるような簡単なことではありません。

もしかして発達障害?と思ったら
発達障害とひと言で言っても、パターンはさまざまで個人差も大きいので、本人に何が得意で何が苦手なのか直接聞いてみましょう。そのうえで本人ができることを見つけていく。そのとおりにできるかどうかはさておき、こちらから歩み寄りながら落としどころを見つけていくことが重要です。
対処法

相手が理解しやすい伝え方の工夫を

このタイプの人は、ひととおり指示を出して「わかりましたか?」と聞くと、必ず「わかりました」と答えます。そうしたら「じゃあ何から始めますか?」と聞いてください。わかっていたら、答えがパッと出るはずですが、答えられなくて結局わかっていないことが判明するのは、よくあるパターンです。ですから、まずちゃんとわかっているか、何からやるのかを確認してほしいですね。

ただ、生まれつきワーキングメモリーが弱いという特性から1度に指示を出さないことも大切です。あれもこれもとなると、彼らにとっては非常にしんどいので、できるだけシングルタスクにしておく。そして、口頭ではなくメールにする、図や表を使って説明するなど、なるべく彼らが理解できる工夫をしましょう。

さらにクライアント相手の仕事だと、あとから言った言わないのトラブルに発展する恐れがあるので、口頭ではなくメールで証拠を残す、メールにはccに第三者を含んだやりとりをする、といったことをしておけば、たとえミスがあってもフォローしやすくなります。