【困った人 E】発言に周囲はヒヤヒヤ。KYな人

お悩み

クライアントとの打ち合わせで必ず余計なひと言を言ってしまう部下がいます。「そういうことを言わないで」と叱れない状況で、周囲はどうフォローしたらよいでしょうか。

原因

KYな人は目立ちたがり屋のただの問題児

たとえばクライアントと午後3時までの予定の打ち合わせで、話がまだ盛り上がっているのに、3時5分になったら「もう時間が過ぎてますよね」と平気で言う人。

「新年の目標を立てましょう」という社内の会議で、みんながあれはどうだこれはどうだと言っているときに「それはちょっと現実的じゃないでしょう」と、冷や水を浴びせるような発言をする人。新年の目標ぐらい現実的でなくてもいいのに、わざわざ現実的な話をするなんて、あいつは空気が読めないな……と。こういうKYな人は、どこの会社にも、いますよね。

このタイプの人は、目立ちたがり屋で、ただの問題児。本人にはまったく悪気がなく、ふと思ったことをそのまま言っているだけなので、みんなを困らせてやろうとか、その場の空気を悪くしてやろうとか思ってやっているわけではありません。ただし、そういう発言はクライアントにはネガティブな印象を残しますし、社内であればチームの士気が下がります。やはりこういう人が会社にいると困りますよね。

対処法

発言の意図を聞いて想像力をサポートする

1対1になったときに、KYな発言について「相手はどう思ったと思う?」などと聞いてみましょう。たいてい「そんなことを言われたら、いい気がしない」というところまで本人もいきつくので、そこから発言が不適切であり、なぜそれがいけないのか、理由を伝えながら指導に入ります。そうやって想像力をサポートしていきます。1回や2回でおさまらなくても、そのつど注意すれば想像力は育ちますので、こちらも根負けしないことです。根気よくやってください。

【Message】うまくストレスを処理して

やはり他人をコントロールすることはできません。いくらか対処して、そのストレスが軽減されることがあっても、完全になくなることはありません。どうしてもストレスはたまっていってしまうので、定期的に解消して、自分自身の心身のケアをしていくことが大切です。

構成=池田純子

井上 智介(いのうえ・ともすけ)
産業医・精神科医

産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。