全世界株式は国内株式よりも暴落相場からの復活が早い
全世界株式に投資すると、値動きとより上手に付き合うことができます。
図表1のグラフは、全世界株価指数「MSCI ACWI」と国内株価指数「TOPIX」に2002年から2022年までの20年間、毎月3万円ずつ投資をした場合の推移です。なお、株価指数自体に直接投資することはできず、実際はファンドを通じて投資をする点にはご留意ください。
毎月3万円ずつ貯蓄した場合、資産の総額は720万円になります。しかし、貯蓄ではなく、毎月3万円ずつ全世界株式(MSCI ACWI)に投資していたとしたら資産総額は1564万円になっていたはずです。国内株式(TOPIX)に投資していたら1083万円になっていることになりますので、全世界株式のほうがより高いリターンが出ていたことになります。
国内株よりも損失が少なく回復が早い
図表1のグラフをよく見ると、2008年から2012年まで、元本割れを起こしている時期があります。
2008年9月から全世界株式(MSCI ACWI)も国内株式(TOPIX)も元本割れに突入しました。最も大きく元本割れしたのは、全世界株式(MSCI ACWI)は2009年2月で94万円の評価損、国内株式(TOPIX)は2012年5月で109万円の評価損です。
全世界株式(MSCI ACWI)は2008年9月から2012年11月まで元本割れの時期が続き、翌月の2012年12月からプラスに転じています。暴落からの回復は4年3カ月です。
国内株式(TOPIX)は2008年9月から2013年2月まで元本割れの時期が続き、翌月の2013年3月からプラスに転じています。暴落からの回復は4年6カ月です。
意外な結果だと思うかもしれませんが、最大損失のドローダウン(保有資産の下落率)は、国内株式(TOPIX)の方が大きくなっています。
以上の結果を踏まえると、全世界株式(MSCI ACWI)は国内株式(TOPIX)よりも損失を抑えられ、暴落からの回復が早く、その後の値上がりもより堅調となる投資資産と言えます。
この全世界株価指数に連動し、低コストで投資できる投資信託が全世界株式インデックスファンドだというわけです。