「やってきたこととはまったく異なる領域」ゆえに及び腰だったというが、覚悟を決めた。他部署からの引き抜きは自分のポリシーに反するものの、背に腹は代えられず準備室に人を集めた。「解決すべき課題が次々に出てきて、さすがに今回は“終わり”が来ないのではと弱気になるときもありました」
12人の精鋭とともに1年7カ月で法人化をやり遂げた。打ち上げの場には「木島、半端ないって」という部下の言葉も掲げられていた。いかに木島さんが持ち前の突破力でリーダーシップを発揮したかがわかる。
専務となったのはさすがに「女性初」
晴れて日本で取締役会が開かれるようになり、木島さんは取締役上席常務執行役員に。20年に専務となったのはさすがに「女性初」だった。
「最初の取締役会では7人のうち女性が2人。でも、現在は私ひとりになってしまい、遅ればせながら、ちょっと居心地が悪い状態を経験しています。社長からは『木島さんは言いたいことばかり言っているじゃないか』と言われましたが(笑)」
男性の育休を推進するなど働き方改革をし、女性管理職の割合が23%に、25年にはこれを30%
「昔の私のような働き方をしていると、誰もが長く続けていくのは無理でしょう。コロナ禍でリモートワークになった今、男性も女性も家族のための時間をもっと増やせるように変わっていけたらいいですね」
※記事上の女性管理職とは、
役員の素顔に迫るQ&A
Q 好きな言葉、座右の銘
「Don’t think. Just do it!」(考えるな、ただ実行しろ)
映画『トップガン マーヴェリック』より
Q 趣味
ベランダでの家庭菜園
Q ストレス解消法
料理と晩酌
Q 愛読書
『ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか』福田一郎著
Q Favorite item
スケジュール帳とムーミンのリトルミイのボールペン
アフラック生命保険 取締役専務執行役員 CAO(Chief Administrative Officer)/CDIO(Chief Diversity & Inclusion Officer)兼 アフラック収納サービス 取締役
1986年、実践女子大学を卒業しアフラック(日本支店)に入社。料金部やコールセンターで経験を積み、2012年、執行役員に昇進。日本法人化のプロジェクトリーダーとなった17年、常務執行役員に。18年、アフラック生命保険取締役上席常務執行役員。20年より現職。
撮影=干川 修