「金利が上がったら固定に切り替える」のは有利か

そうした人から「変動金利型を借りて、金利が上がったら固定金利に変えられますか」との質問を受けることもあります。答えは「変えられます」ですが、実際には簡単ではありません。

変動金利型は一般的に短期プライムレート、つまり短期金利に連動します。一方で固定金利型は長期金利に連動します。短期金利は、日銀の政策によって変動します。つまり、日銀が動かない限り、金利も上がりません。

一方で長期金利は市場の予測で動きます。市場参加者が「これから金利が上がりそうだ」と思えば、短期金利よりも先に長期金利が上がるのです。つまり、私たちが「これから金利が上がりそうだ」と感じたときには、固定金利型の金利はすでに上がっていることになります。

心理的に固定金利型への切り替えは難しい

変動金利型から固定金利型への変更はできますが、すでに金利が上がってしまった段階で固定金利型へ変更する気になれるかは別問題です。さらに上がることがはっきりしていれば、固定金利型に変更するでしょうが、それはわかりません。

一度低い金利を経験してしまっていると、高い金利に変更する勇気はなかなかもてないものです。実際に変動金利型から固定金利型へ変更した人の話はあまり聞いたことがありません。