2000年代の金利上昇で得したのは変動金利型の利用者

過去をさかのぼると、2000年台に金利上昇局面がありました。そのときには、私自身も雑誌の記事などで「固定金利型に変えましょう」と勧めていました。実際、2007~2008年にかけて変動金利型の金利は上がりましたが、どのくらい上がったでしょうか。0.5%です。2006年には変動金利の基準金利は2.375%でしたが、2007~2008年に2.875%にまで上昇し、、2009年以降は2.475%で推移しています。(※実際の借入金利は基準金利から契約時に約束した幅の金利が差し引かれます)

結果的には変動金利型を利用していた人が正解だったわけです。どちらが正解なのかは、あとになってみなければわかりません。

一般的に資本主義が成熟していくと、金利の水準は徐々に切り下がっていくことが知られています。金利は上がったり下がったりしますが、その変動幅はどんどん狭くなっていくのです。

ただ、2000年代はデフレが続いていたため0.5%の金利上昇ですんだとも考えられます。今後、デフレを完全に脱して政府の目標通りインフレ率が2%になるようなことがあれば、前回よりも上昇する可能性はあります。

金利が上がるかどうかを予測するよりも、上がったときに対処できるか、これを基準にして金利のタイプを選んではどうでしょうか。

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー

生活デザイン代表取締役社長。自動車会社で燃料電池自動車の研究に携わった後、FPに転身。家計の個人相談の普及を目指して2001年に設立した「家計の見直し相談センター」では、すでに3万世帯を超える家計診断を行っている。家計管理、生命保険、資産運用など幅広い分野に精通。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。 生活デザイン株式会社 オフィシャルサイト