「見た目」についての発言は控える
同じ職場のメンバーが、顔色が悪い、ため息ばかりついて元気がないと何かあったのかと心配になったり、元気を出してほしいと思ったりしますよね。ところが肝心の元気がない理由がわからないと慰めたくても、どう切り出したらいいか迷うところではないでしょうか。
この時に、気をつけたいのが「疲れた顔をしているね」「顔色が悪いよ」「やつれて見えるよ」という容姿に関する発言です。体調不良や薬の後遺症でむくんだり痩せたりすることもありますし、中には、ご自分が周囲にどう映っているのかとても気にされている方もいます。
決して悪気はなくてもストレートに、「顔色が悪いですね」「やつれましたね」と伝えると相手を傷つけてしまうこともありますので、見た目について発言するのは控えましょう。
実際、私もテレビ番組のリポーターで全国をまわっていたころ、久しぶりに会った知人に「すごく疲れた顔をしてるけど、大丈夫?」と真顔で言われたことがあります。自分では充実した毎日を送っていたつもりだったので「私ってそんなにひどく疲れた顔をしているんだ」と、とても落ち込んだ記憶があります。
元気がなさそうで気になったときには、まず、「ちょっと元気がないみたいですね。どうかなさったんですか?」「最近、口数少ないから気になっちゃって。元気ないな、と思って」と「何かあった?」と当たり障りのない調子で聞いてみましょう。
もし、「いや、別にいつもと変わらないよ」といわれたら、「じゃあ、私の気のせいだったんですね。勘違いしてすみません」「それなら良かったです、安心しました」と笑顔で伝えて仕事に戻ればいいでしょう。相手は気にかけてくれている行為に対して、嫌な気はしないはずです。
アドバイスではなく寄り添い型のあいづちが◎
もちろん、相手が「いや、別に」とあまり話したくなさそうなら、そっとしておきますが、もし、何か話したそうな様子であれば「私で良ければ話を聴くよ」と、時間を取ってあげましょう。
その際、元気がない理由が業務に関することであれば具体的なアドバイスもできますが、健康に関することやプライベートなことであれば、相手が「どう思いますか?」と尋ねてくる以外、無理に意見を言わずに「それは心配ですね」「お大事になさってください」「早く解決するといいですね」という寄り添い型のあいづちで聴き役に徹しましょう。真摯に耳を傾けるという行為は、相手を尊重することにほかなりませんし、安心安全な環境であると伝わります。何より話を聴いてもらうだけで気分がスッキリすることもあります。
他にも、元気がない理由を共有してもらうきっかけとなる声掛けとして、「私に知っておいてほしいことはある? プライベートなことでもいいので」「聞き手が必要なら、いつでも声をかけてください」と、相手の意向を尋ねるのもいいでしょう。
元気のない理由もさまざまです。声掛けは細やかな気配りをセットにしましょう。