希望を伝えながら柔軟性も見せる
⑧給与はいくらほしいですか?
転職エージェントを介して応募するのであれば、給与交渉はエージェントに任せればいいのですが、自分で応募している場合、希望額をどう伝えるか迷いがちです。企業側が自分をどれくらい評価してくれているか、その感触によって、どの程度の希望を出すかを考えましょう。
こんな答え方はNG
中途採用における給与提示は、原則、前職年収が基準とされます。根拠なく前職より大幅アップの金額を伝えるのはNG。かといって希望額を提示しないのも、プロフェッショナルとしての自信に欠けている印象を与えます。
納得されやすい答え方のポイント
希望金額を伝えつつ、相手企業の給与テーブルに従って柔軟に対応する姿勢を見せましょう。
【回答例】
「現職(前職)の年収は○○万円でした。御社では、△△のスキルを生かして売上アップに貢献できると考えておりますので□□万円程度を希望します。しかしながら、御社にも規定の給与テーブルがあるかと思いますので、その範囲内でご検討いただければ幸いです」
オドオドせず、堂々と答える
以上、8つの「答えにくい質問」への回答のポイントをお伝えしました。このほかにも、どんな質問をされると困るのかは、人によってさまざまだと思います。
いずれの場合も大切なのは、決してオドオドしたりせず、「堂々とした態度」で答えることです。ごまかそうとせず、正直に話し、反省すべきところは反省を述べる。そして、うつむいたりせず、相手の目を見て話しましょう。過去に後ろめたい経歴があったとしても、その経験を経て今はポジティブな姿勢で仕事や転職に向き合えているのであれば、相手の不安を払拭できます。
基本的に企業は、過去よりも「現在」「これから」に注目しています。面接準備として、自身の経験・スキルを整理し、相手企業に貢献できることを自信を持って伝えましょう。同時に、「これからやりたいこと」「これから目指したいこと」を明確にし、チャレンジする意欲を伝えてください。
構成=青木典子
1970年生まれ。93年リクルート人材センター(現リクルート)入社。2017年morich設立、CxOレイヤーの採用支援を中心に、企業の課題解決に向けたソリューションを幅広く提案。NPO理事や社外取締役・顧問等も務め、パラレルキャリアを体現した多様な働き方を実践。NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」出演。日経オンライン等のWeb連載のほか『本気の転職』等著書多数。2022年2月、日経新聞夕刊「人間発見」の連載にも取り上げられる。二男の母。