「前例がない」ということは時に障壁に、時にメリットにも
宮間さんにとって「前例がない」ということは時に障壁に、時にメリットにもなった。しかし、女性だからということで自分が味わってきたような悔しい思いは、後に続く人にはしてほしくない。
21年、取締役に就任すると、役員・副事業部長クラスの男性が女性部長や課長の「スポンサー」となり、一緒にキャリアアップに取り組むプログラムを始めた。狙いは女性が正当に評価され引き上げられることだが、男性上司の意識改革も期待できる一挙両得の策だ。
「思えば、新人の頃からこういう仕組みにしたほうがいいと思うと、実現するまであきらめないタイプでした」と笑顔で振り返る。
「難しそうに見えても、たいていのことはなんとかなるもの。管理職になる女性は自分の可能性にかけ、そこから新たに始まるキャリアを楽しみにしてほしいですね」
役員の素顔に迫るQ&A
Q 好きな言葉、座右の銘
「新世界をかなでよう」
Q 趣味
クリスマス・イルミネーション
Q ストレス解消法
筋トレ、歌舞伎鑑賞
Q 愛読書
「銀座百点」(フリーマガジン)
Q Favorite item
社内用刺しゅう入りバッグと隂山手帳
大日本印刷 取締役 人財開発部・ダイバーシティ&インクルージョン推進室担当
1986年、上智大学大学院理工学研究科修士課程を修了し、大日本印刷に入社。2005年、C&I事業部DB本部VR企画開発室長。同事業部IT開発本部第4開発室長を経て14年、人財開発部長に。18年、執行役員に就任。19年、人財開発部・ダイバーシティ推進室(現ダイバーシティ&インクルージョン推進室)担当。21年、取締役に。
撮影=干川 修