ミスをしない“巧速”仕事術

ひと口に「仕事」といっても、その進め方は十人十色でしょう。仕事の早さより出来栄えを優先する「巧遅こうち」がいいのか、それとも仕事の完璧さより早さを優先する「拙速せっそく」がいいのか。

「巧遅は拙速にかず」(いくら上手でも遅いよりは、下手でも速いほうがいい)といわれますが、私は巧遅も拙速も、どちらもよくないと思います。巧遅でも拙速でもなく、両者のいいとこどりで“巧速”を目指しているのです。

私はどちらかというと、時間がかかっても仕事を丹念にやろうとするタイプなのですが、締め切りを前倒しでクリアする“巧速”を心がけています。

多忙で、なおかつ締め切りが迫ってきているような状況では、「拙速」がよいように思えるかもしれません。拙速なら、多少のミスがあっても、あとからフォローする時間的な余裕があるから、問題ないと考える人がいるかもしれませんが、私はそうは思いません。

拙速でミスを連発すると、やり直しを求められる部分が多く出てきます。なかには、一からのやり直しを強いられることもあるでしょう。

すると修正に時間をとられるあまり、締め切りをオーバーして後工程に悪影響が及ぶ恐れがあるのです。

ミスを起こさないことが最速の仕事術

仕事をするうえで、私が長年信念としているのは、「ミスを起こさないのが最速の仕事術」ということ。

スケジュール内で最大限丁寧に仕事をやっていれば、当然ミスを起こす確率は低くなります。ミスが少ないほど、やり直しの無駄な作業に時間と労力をとられることがなくなります。だからこそ、丁寧な仕事で早く仕上げる「巧速」につながるのではないでしょうか。

抱えている複数の仕事に追われて忙しいなか、急ぎの仕事が飛び込んできたりする場面こそ、私の真価が問われるときだと思っています。

そんな緊急事態でも、焦らず落ち着いて、一つひとつの仕事を丁寧かつ確実にこなす“巧速”で臨むのです。