目の前の仕事に集中するシンプルな方法
では、仕事でミスをしないためには、どうすればいいのでしょうか。
私が推奨している方法は、デスク上には、ToDoリストの最上位で、いまやるべき仕事関連に絞って書類を置いておくことです。
一度に複数の仕事をこなそうとすると、思わぬミスを招いてしまい、結局は足を引っ張られかねません。
複数のソフトを同時に動かそうとすると、パソコンの処理速度は低下しやすくなります。同じように、複数の仕事を同時に処理して仕事の効率を上げようとしても、脳も手足もできることには限りがありますから、処理速度が低下してしまいます。
すると同じ仕事をこなすにも要する時間が長くなり、さらにミスも増えるという悪循環を招きやすいのです。
だから、デスクの上には、現在とり組んでいる仕事関連の資料だけを置いて、その仕事に集中する環境を整えます。
デスクに複数の案件の資料を置いていると、混乱しやすくなります。資料を見失い、それを探すのに貴重な時間を奪われることもありますし、資料が紛れて行方不明になるということだって考えられます。
パソコン上でも、複数の案件のファイルを同時に開かない
同じ日に複数の案件をこなさなければならない場合、優先度がより高い仕事をキリのいいところで終えて、ひと区切りつけたら、それをいったんデスクの端なり、引き出しの決まった一時保管場所なりに収めます。
それから次の案件をとり出し、デスク上に広げるようにします。こうすれば、デスク上に広げる仕事は一つだけという原則が守れます。
パソコン仕事でも、複数の案件のファイルを開いたままにしないで、最優先の案件のファイルだけを開くようにします。次の仕事にとりかかるときは、ひと区切りつけた仕事のファイルを閉じてから、新しいファイルを開くようにします。
一つの仕事に集中してミスを減らし、“巧速”を実現するためにも、やはり掃除が不可欠です。
掃除を心がけて、デスクもパソコンもすっきり整理整頓されているからこそ、仕事に集中しやすいのです。
1930(昭和5)年5月15日生まれ。商業高校を卒業後、25歳で三興鋲螺(現・サンコーインダストリー)に入社。以来66年にわたり、経理や庶務の業務を担ってきた。現会長より11歳年上で勤続年数も長いことから、同社の歴史を知る語り部として新人研修の担当もしている。2020年11月「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定される。