※本稿は、玉置泰子『92歳総務課長の教え』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
その仕事は誰かの役に立っているか
どんな仕事にも、締め切りがあります。
ビジネスをとり巻く環境がめまぐるしく変わっている現代では、昔と比べると締め切りも早まり、スピード感を持って仕事にとり組まないと、満足にこなせないような状況になっています。
単発のように思える仕事であっても、陸上競技の駅伝やリレーのように、一連の流れのなかにあります。担当する仕事には、「前工程」や「後工程」があるのです。
締め切りに間に合わないと、後工程の仕事に響き、迷惑をかけることになります。それがドミノ倒しのように悪い影響を与えて、最終的にお客様の迷惑にもなりかねません。
私の会社では「その仕事、誰かの役に立っているか?」という創業者の信念が受け継がれていますが、これには「前工程」の努力を無駄にせず、「後工程」によい形でバトンを渡すという意味も込められていると、私は解釈しています。
若手社員には、私が仕事を頼むと「はい、わかりました」と返事をして、締め切りの確認をしない人もいます。仕事を依頼されたら、必ず締め切りを確かめる癖をつけましょう。
締め切りを確かめたら、そこから逆算してスケジュール管理をするのです。優先しなくてはならないのは、プライベートも含めた自分の都合ではなく、組織の全員が共有している締め切りです。
業務日誌をつける理由
私たちの仕事の多くはルーティンワーク、つまり定型的な仕事が大半を占めているのが実態です。
ルーティンワークに関しては、過去の経験から「この仕事には、このくらいの時間がかかる」ということが、だいたいわかります。
すると、「今回はおおよそ2倍の仕事量だから、おそらく2倍程度の時間がかかるだろう」などという予測が立てられます。
スケジュール管理をスムーズに進めるためにも、私は業務日誌をつけるようにしています。業務日誌をつけていなかったら、どの仕事にどれほどの時間を要するかがわからないので、スケジュール管理が難しくなるからです。