1日が終わったら自分の“スイッチ”を切って眠りにつく

原則2は未完了をなくすことです。睡眠不足はうつ病の原因とも言われます。せっかくの睡眠時間なのに「ああ、これをやらなきゃ」という気持ちが残っていると、ぜんぜん熟睡できません。なので、1日の最後は必ず「今日も1日終わった」と、スイッチを切って眠りにつくことが大事です。

時間が十分に取れなくても、ちゃんと睡眠モードに入っていれば、その質が高まり、寝不足を感じなくなります。私は、寝室になるべくモノを置かないようにしています。特にスマホは、枕元にあるとつい触ってしまうので、寝室に持ち込まないように心がけています。

若いうちは体力面では大丈夫でしょうが、寝不足が続くと、気持ちのほうは弱ってきます。そうなると、余白の時間を十分に使い切れなくなるでしょう。だから、たとえば自分で仕事を手いっぱい抱えて寝不足になるよりも、仲間の助けに頼ってでも睡眠をしっかり取るべきなのです。

私のように40歳を過ぎたらなおさら睡眠の質を確保することは大切です。会社の同期ともよく話すのですが、40歳を過ぎるとガクンと体力が落ちます。労働と休息のメリハリがないと、心身ともに疲労が蓄積します。それでも頑張り続けていると、必ずどこかでその無理がたたります。

“スイッチ”を切った瞬間、いいアイデアが浮かびやすい

誰にとってもよい睡眠は明日へのよい準備なのです。そのために大切なのがスイッチのオン・オフです。ただ、会社員として働いている以上、どうしても明日までに解決しなければいけない、夜通し考えなければいけない難題に直面することもあります。

たとえば、ミスをして取引先に大きな迷惑をかけて、明日の朝イチまでに経過説明の文書を提出しなければならないとき。寝る間を惜しんで仕上げなければ、もっと悲惨な現実が待っているので、それはしょうがないと思います。

私は若い頃、そこまでしなくてもいい仕事でも睡眠時間を削ってこなしていたのですが、4年目からはそんな働き方を改めました。

活用したのは、携帯電話から送る自分あてのメールです。家に帰ったら、気になっているタスクを自分の会社メールに送ってしまい、なるべく考えないようにしました。またトラブルへの対応でも、「対応しますので、ここを教えていただけませんか?」などと、自分一人で考え込まず、ボールを相手に返すようにしたのです。

いったんボールを手元から離すというのは、一時的とはいえ、未完了のストレスから自分を簡単に解放できる効果的なテクニックだと思います。ただし、それだけではいつまで経っても仕事は進みませんから、タスクが山積みの際に使う、緊急避難的なテクニックです。

ちなみに私の場合、そんなふうにスイッチを切った瞬間、いいアイデアが浮かぶことがよくあります。そうしたら、すかさずメモに起こして自分あてにメールします。メモを取らずに翌朝忘れて後悔したり、せっかく寝付きかけたのに仕事を始めてしまい、眠れなくなったりといった失敗があったからです。

いずれにしても、気がかりなくよい睡眠を取って頭をすっきりさせて、翌朝、会社で整理するというのが、やはり一番効率的だと思います。