おっぱい好きな大物議員

もう亡くなった大物議員ですが、おっぱいを触るのが大好きな人がいました。彼は小料理屋に行くと、仲居さんの着物に手をつっこんで触っているような人だったんです。ある時、私がたまたま隣に座ったら、ふざけて「佐藤さんのおっぱいも触っていいかな」と手が伸びてきた。そこで「ちょっとでも触ったら書きますよ」と言ったら、電気に打たれたようにビビビッと手が引っ込みました。ペンの力ってすごいなというのと、毅然きぜんとした態度を取ることも大事なんだとつくづく思った記憶があります。

これは軽微なセクハラで、よくある話だった。実際には触れられていないし、自分としてはきちんと撃退でき、この議員から二度とセクハラめいた行動を取られることはなかったので、今では笑い話として振り返ることができる。一方、座談会の中で紹介したもう一つの経験談は、全体のバランスなどさまざまな点から記事として採用されなかったのではないかと想像する。そして、記事化されなかった次の話のほうが、私にとっては重いものだった。

国会議事堂
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セクハラ議員を止めない秘書

これも亡くなった別の大物議員の話で、もう20年以上前のことになる。その議員が住んでいた東京都内の議員宿舎の部屋には、夜回りの記者数人が毎晩のように詰めかけ、小一時間ほど懇談に応じていた。ある晩、たまたま他の記者が誰も夜回りにやって来ず、議員と私だけの一対一の懇談になった。最初はいつものようにリビングのソファの下に座り込む形で普通に話していたが、いきなりにじり寄ってきて、腕が肩に回って抱きつかれるようなかっこうになった。「やめてください」と何度か言った。それでもなかなかやめようとせず、最後は振りほどくようにして逃げ帰ってきた。その時、別室に秘書が待機しているのが見えた。秘書は慌てる様子もなく、普通にただそこにいた。

議員の行動はもちろんだが、秘書の行動もショックだった。秘書は明らかに議員によるセクハラという状況に慣れていた。「いったい何人の女性が私と同じような思いをしたのだろう」。想像せずにはいられなかった。