1項目しか公開しない企業、11項目公開する企業
実際にデータベースを検索すると有給休暇の取得率だけを載せている企業もある。一方、2023年卒の大学生の就職企業人気ランキング(マイナビ・日経調査)の文系総合10位、理系総合2位の味の素は11項目について公表している。項目には女性活躍以外にも、男女別の育児休業取得率、労働者の1カ月当たりの平均残業時間も含まれる。就活生が気にする定番は残業時間だが、有給取得率だけを公表している企業は残業時間が長いのではと推測しても不思議ではないかもしれない。
また活躍が進んでいる優良企業は「えるぼし」(3ランク)、最高位の「プラチナえるぼし」に認定され、企業のPRに活用できる。採用、労働時間、管理職比率など5つの基準の達成レベルに応じて認定されるが、えるぼし認定企業は1601社、プラチナえるぼし認定企業が23社となっている(2021年12月末)。
女性管理職比率たった8.9%
4月の法律施行により働く人の大多数を占める中小企業にも適用されることでさらなる底上げが期待されるが、現状では女性の活躍が進んでいるとはいえない。政府は2020年に課長相当職以上に占める女性管理職比率を30%にする目標の「202030」を掲げたが、未達に終わっている。現状は8.9%(2021年、帝国データバンク)という調査もある。また厚生労働省雇用環境・均等局作成の課長相当職の比率は11.5%、部長相当職8.5%(2020年)。
国際比較では先進国に遠く及ばず、フィリピン、シンガポール、マレーシアの東南アジア諸国より低い。さらに経済・政治・教育・健康の指標に基づくジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム、2021年)は120位と、中国、韓国よりも低く、世界に大きく遅れを取っている。