4月1日、改正女性活躍推進法が施行された。しかし、日本の女性管理職比率はたった8.9%だ。人事ジャーナリストの溝上憲文氏は「数年前に比べて女性活躍に対する経営層の関心が薄れつつあり、取り組みが停滞している印象を受ける」という――。
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中小企業も対象になった

女性の活躍を後押しする改正女性活躍推進法(女活法)が4月1日から全面施行され、従業員101人以上300人以下の中小企業も行動計画の策定と情報公表が義務化された。

すでに301人以上の企業は2016年4月に施行され、女性活躍推進やダイバーシティ推進に取り組む企業も徐々に増えている。公表が義務づけられている厚生労働省の「女性の活躍企業推進データベース」は就活生など求職者の企業選びの指標の1つになっている。

行動計画策定にあたっては、まず①採用した労働者に占める女性労働者の割合 ②男女の平均継続勤務年数の差異 ③労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況 ④管理職に占める女性労働者の割合――の4つについて自社の状況を把握。

そのうえで①(女性労働者の割合など)女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供と、②(男女別の育児休業取得率など)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備――の2つの項目から数値目標を選択し、計画期間、取り組み内容などの行動計画を策定することになっている。

自慢したい項目だけ公表する企業もある

301人以上の企業は①と②の項目ごとに必ず1つ以上の数値目標を選択する必要があるが、300人以下の企業はいずれかの項目の1つ以上を選べばよい。策定した行動計画は労働者に周知するとともに、ホームページなどで外部に公表し、策定した旨を都道府県労働局に届け出る必要がある。法の施行日が今年4月1日なのですでに届出が完了していることになる。

情報公表義務の中身は先の①と②をさらに限定した項目から選択する。301人以上の企業は①と②のそれぞれ1項目以上(2020年6月以降)、300人以下は両方から1項目以上選択し、自社のホームページや厚労省の「女性の活躍企業推進データベース」に入力して外部に公表しなければならない。

求職者などが簡単に閲覧できるようにするためだが、公表内容は企業によってさまざまだ。厚生労働省の担当者は「多く公表している企業もあれば、自慢したい項目だけを公表している企業もある。求職者はこのデータを見て会社を評価する面があるので、一つしかないと良いところしか見せていないと思うだろうし、逆に数字が良い項目や悪い項目を載せていれば正直で、がんばっていると思うかもしれない」と語る。