小学校高学年対象の起業スクールの中身

ちなみにコロナで中止になってしまいましたが、地元で小学5、6年生を対象にした子ども起業スクールを開催する計画を立てたことがあり、その概要をご紹介します。

テーマ 「地元ならではのお土産(お菓子)を作って売ろう」

※モノづくりは難易度が高いが、お菓子であれば小学生でも作りやすい。また、お菓子なら実際に販売することもできるし、食中毒といったリスクもほとんどない。調理にあたっては経験者がサポートする。


内容
1.会社名を考え、役割分担を決める(チームづくり)
2.商品を考える(地元の特産品や歴史などから商品を考える)
3.事業計画をつくる(1個いくらで何個作るか、材料費、どんな売り方をするか)
4.お金を借りる(事業計画をプレゼンし運転資金をもらう、1チーム5000円)
5.材料を仕入れ、商品をつくる(自分たちでスーパーなどに買い物へ)
6.広告宣伝ツールを作る(100円ショップなどで買い、包装やポスターを作る)
7.販売する(行政の許可を取り駅前広場などで一般販売)
8.決算をする(売り上げから経費を引いて利益を計算)
9.銀行にお金を返す(あるいは残りは給与としてメンバーに配分してもよい)
10.反省会(ここに問題があった、次はこうしようといった振り返りとその発表)

これは小学生向けですが、高校生ならもっと高度に踏み込んだ内容でも可能だと思います。利益を多く残そうと考えることは家計管理にそのまま応用できます。

そうやって子どもたちが挑戦する楽しさを知り、チームで協働すればもっといいアイデアが出てくることや、工夫すればもっと売れることを経験すれば、将来の職業選択の幅も広がり、新しい可能性が見えてくると(勝手に)思っています。

そしてこれは、金融教育よりも重要かつ血肉になるだろうというのが私の考えです。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。