正攻法は「ルールとペナルティ」

自分で立てた目標は、フックとごほうびで何とか達成できるかもしれませんが、これが子どもとなると、なかなか難しいかもしれません。よくある悩みは、「1日中やっているゲームをやめさせたい」といったものです。

子どもにゲームを辞めさせたいときの正攻法は、ルールとペナルティの約束を決めることです。たとえば、ルールとして1日1時間までにして、それを破ったら3日間ゲームなしというペナルティを作る。この約束は、子どもだけではなく親も必ず実行してください。「今日はまぁいいか……」と少しでも親が甘い顔をすると、すぐに破綻してしまいます。

しかし、子どもの行動を制限することが苦手な親や、子どもが泣いたりすねたり怒ったりすると、情にほだされてうまく約束を守れない親もいます。

「約束は約束」徹底的にやらせる

こうした場合は、本人と約束をして、思う存分ゲームをやらせてあげましょう。本人が「毎日3時間ゲームをやりたい」というなら、それを約束にします。今までは、親が決めた約束を子どもに守らせていたわけですが、子どもが自分で決めた約束を、自分で守らせるスタンスに変えるのです。

そして、何があろうと、毎日3時間は絶対にやらせます。夜になって眠くなろうが、見たいテレビがあろうが、毎日きっちりやらせる。やっていなかったら「ゲームをやりなさいよ」「なんでやってないの?」と声をかける。

人間は強制されるとすごく苦痛を感じます。好きでやっているはずのゲームですら、強制されるといやになります。強制された3時間と、自分で選んだ3時間は全然違うのです。大人も同じで、どんなに楽しいことでも強制されるといやになりますよね。

親から「ゲームしろ」「ゲームしろ」と言われたら、子どもはだんだんゲームばかりやっていることがしんどくなって、違う刺激がほしくなります。いくら甘いものが好きでも、毎日甘いものばかりは食べられないのと同じです。

眠い目をこすってまでゲームをしている姿を見ると、逆に親もかわいそうに思えてくるかもしれませんが、そこで折れないように頑張ります。折れると、子どもは「好きなときにやればいいんだ」と思ってしまいます。親は、「約束でしょ?」と徹底的にやらせます。

布団の下で携帯電話の少年
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