男たちはモテているのか

さて2020年代だ。日本挙国しての大懸案だった東京五輪もなんとか終了した2021年末、いま日本の男たちはどうだろうか。国際的に(いろんな意味で)モテているか?

20年前も10年前も同じように聞いた「世界は日本の男を(日本人が思っているほど)買っていない」という話を、今になっても覆せていないのはなぜなんだろう。それはたぶん、今までの世代の日本の男たちが世界で、あるいは世界に向けてやってきたことに対する採点タイム、答え合わせなのだ。

2021年も相変わらず「日本のジェンダー感覚大丈夫か」だった。そもそも新年が駅伝の「男だろ!」大論争で不安いっぱいに幕開けした。森喜朗元首相の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」発言を批判する「#わきまえない女」運動が起こり、その結果として森氏は海外メディアからも「それ、『失言でした』で済む問題じゃないから」と盛大にあきれられ、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を辞任した。

“いろいろ”さらした東京大会

コロナ禍で最も窮地に陥った人たちの中には、それまでの女性活躍推進策で飲食や宿泊業などの「おもてなし業種」へ実力発揮を期待されて送り込まれた女性たちがいたが、1年の約3分の2を緊急事態宣言などの制限下に置かれたサービス業は低迷し、力尽きる事業者も少なくなかった。

五輪開会式はすったもんだの大騒ぎ、2016年時点で演出チームの要とされ、「日本にも本気で女性登用の時代がやってくる」との旗印だった演出家のMIKIKO氏とミュージシャンの椎名林檎氏はそこにはおらず、代わりに大きな広告代理店のおじさんたちが(「俺だってこんなことやりたくないよ……」と苦虫を噛み潰したような表情で)いた。BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動への積極的な発言とうつ告白の後に休養していたテニスプレーヤー、大坂なおみ選手が開会式に姿を現し(大会参加者でありながら引っ張り出され)、最後の点火者となる演出には、疑問の声も多く上がった。

オリンピックアスリートを性的目的で撮影した写真の流通が問題視され、選手たちの競技コスチュームも話題を提供した。五輪報道での女性選手への言葉かけやインタビュー内容にも、日本のマスコミの感覚には疑問の声が噴き出ていた。

TOKYO2020とライトアップされたスカイツリー
写真=iStock.com/Joel Papalini
※写真はイメージです