「女性活躍」後退の年だったのか
自民党総裁選ではタカ派の高市早苗候補が「記念すべき第100代で初の女性首相に」と担ぎ上げられるが当の女性からはイマイチ微妙な反応を受け、「河野太郎サゲ、岸田文雄アゲ」とモニョる経緯で、要するに初の女性首相なんて誕生しなかった。岸田首相誕生後は「メディアが(ネットの声ばかり真に受けて)ことごとく予想を外した」衆院選での野党評価凋落、からの木下富美子氏への徹底追及と都議会議員辞任(それは彼女の責任)。
決して外せないのは、眞子さまと小室圭さんバッシングの狂乱。そして誰もが「夢がいっぱいの20歳のはずなのに、未来が描けないなんて」と複雑な心境で見守った、愛子さまの成年行事。
2021年「女性活躍」の後退が著しいところに「生産年齢人口が95年比で約14%減」の報道で、「え、なに、日本滅ぶの、ねぇ⁉」と叫んでしまった筆者なのである。
急いで変わるしかない
でも、前進もある。泣き寝入りせず「わきまえず」、五輪開会式の闇をきちんと明るみに出したのは、世界の常識の中で活躍し続けてきた演出家のMIKIKOさん本人だった。新設のデジタル庁では、実際に手を動かし、組織を形づくる女性官僚たちが大いに活躍中だ。自民党総裁選で善戦した「生きる多様性」野田聖子氏を担ぎ上げた「こども庁」の立ち上げ。創設延期のグダグダもあるが、しっかりとした準備には時間がかかるのだと受け止めたい……。
日本国内の「常識」はローカルルールにすぎないのだ。グローバル(なんて言葉を今さら口にするのもためらわれるくらいだが)なルールでの振る舞いに適応できなければ、外貨は稼げない。さて生産年齢人口が95年比で約14%減った日本は、ちゃんとこれからグローバルにモテる国になれるだろうか。それは「日本の男子」たちに突きつけられた「キミは(急いで)変われるか?」との課題なのだ。
既にもう20年、いや30年をムダに費やしてしまった。急げ。
1973年、京都府生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。時事、カルチャー、政治経済、子育て・教育など多くの分野で執筆中。著書に『オタク中年女子のすすめ』『女子の生き様は顔に出る』ほか。