Q2. マンションと狭小戸建て、“資産価値”が落ちないのはどちら?

【小林】私はつい最近、郊外の分譲戸建てを購入しました。息子が3人いて手狭になったことと、国税を辞めて個人事業主になり、家での仕事部屋が欲しかったのです。

【日下部】購入おめでとうございます!

【小林】物件探しをしてみて、駅前マンションと徒歩15分の狭小戸建ては同駅、同面積なら同額ぐらいだと感じました。できる限り安く購入したくて、私は旗竿地はたざおち物件を購入。奥まっているので、車の音はしないし、価格のわりには広いので環境はよいです。私は家族のために、資産価値よりも居住価値を優先しました。

【日下部】資産価値はすぐに売る前提で必要なものですから、そこをつい棲家すみかと決めれば優先しなくてもよいのです。車が必需品の人は空き駐車場のあるマンションか車庫のある戸建てがよいでしょう。戸建ての車庫は自転車置き場にもなります。リモートワークで居住価値を求め、地方に移住する動きも出てきました。

【小林】狭くても土地が持てるのはうれしいものです。

【日下部】よく見かける敷地20坪以下の3階建て建て売り狭小住宅は、階段の上り下りを毎日5往復ぐらいするイメージで、足腰の弱る老後は大変になりそうです。また、1階が車庫と夫婦の寝室、2階がリビング、3階が子ども部屋などと間取りが固定されてしまうのが難点ですね。さらに、将来、売却するときに駅から遠いと、「それでは売れない」と不動産会社から更地にすることを求められることがあり、その費用は売り主の負担です。マンションでも土地を戸数で割った敷地利用権を持てるので、土地持ちにはなれますよ。

【小林】マンションは管理費等をずっと払いますよね。

【日下部】逆にいえば、少額の費用でゴミ出しや掃除、共用施設の利用、修繕計画はプロに依頼するのでラクという考え方もあります。マンションは躯体も、耐震性も、防音性も戸建てを上回ります。都心限定ならマンションのほうが利便性が高く、住み心地の満足度も高いので、資産価値が落ちないでしょう。

分譲マンションと分譲住宅