土日祝日の廃止、年中いつでも休める化を

昨年末に私は「医師が提言、『土日祝日の廃止』がコロナ対策と働き方改革につながる最強策である」と題した持論をプレジデントオンラインで述べさせていただいたことがある。

「年末年始に限らず、盆暮れ、ゴールデンウィークなど特定の時期に休みが集中する『なかば常態化した異常事態』は、改善されるべきだ」として「365日平日化、すなわち“年中いつでも休める化”」が常識化すれば、働き方改革はもちろん感染症対策になるではないか、との意見を述べたものだ。

賛否両論、多くの反響をいただいた。題名だけ見て反応してしまったのか、私の真意を読み取っていただけず「月月火水木金金かよ」とか「実現性は低いし実現したところで、サービス出勤の横行に拍車をかけるだけ。机上の空論もいいとこだ」といった少し残念なコメントも寄せられたが、私は決して空論とも暴論だとも思わない。

むしろ本気で働き方改革を断行するというのであれば、官公庁から銀行をはじめあらゆる企業、教育機関、医療機関等々を巻き込み、国民的議論を高めた上で、すべての人の意識改革を抜本的に行う必要がある。当然ながら簡単な話ではないが、最初から議論もせずに「机上の空論」などと冷笑しているだけでは、現状は変わらない。

思いつきの政策では因習を変えることはできない

逆に「平日優遇策」が広まれば、平日休みがしやすい世の中に変えることができるのではないかと考える人もいるかもしれない。しかしこの「GoTo政策」は当然ながら恒久的なものではない。極めて短期間の時限的なものだ。このような思いつきの政策で、働き方や休み方に染みついた因習が変えられるはずはない。

緊急事態宣言が繰り返されるなかで、いつのまにかテレワークから従来通りの通勤に回帰していってしまったではないか。つまり土日祝日の旅行者集中は、やはり抜本的な意識変革なくして解決し得ないということなのだ。