望みを叶えている人たちを味方に

私は2007年に起業しましたが、20代と30代で会社勤めをしていた頃から、起業した人たちが周りにいて、起業するノウハウについて色々と教えてもらっていました。この、身近にどういう人たちがいるか、ということも重要な環境因子と言えるでしょう。

起業や転職のほか年収を上げたい、田舎暮らしをしたい、○歳までに結婚して子どもを産みたいなど、叶えたい望みは色々あると思います。どの望みも、スムーズに実現するコツは、実際に叶えている人たちに囲まれる環境を作ることです。彼らと接するうちに、望みを叶える思考や方法が自分の中にインストールされて、自然と叶う方向に向かうのです。

精神論に走るから挫折する

勝間和代『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』(KADOKAWA)
勝間和代『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』(KADOKAWA)

常々、私は意志の力はアテにならない、という話をしていますが、意志を頼りにして目標を達成しようとすると、どうしても挫折しやすくなります。だから、実現している人たちのそばにいられる環境を作って、環境に後押ししてもらう形にするわけです。すると気づくと、なんとなく目標を達成できた、ということが起きえます。実際私が起業したときも、本当になんとなく起業できた、という感じでした。

身近にいる人たちから受ける影響はよくも悪くも大きくて、悪い場合は、自分がどんなに努力をしようと思っても、周りにいる人たちが怠けてばかりいたら、一人で努力をし続けるのは不可能です。強靭きょうじんな精神力を発揮しても、徐々に燃え尽きて、結局やらなくなってしまいます。

人は、周りの5人の平均になる

「人は、周りの5人の平均になる」という説があります。アメリカの有名な起業家のジム・ローンが提唱したことで、彼は、人は年収や性格、嗜好など、もっとも時間を多く過ごす5人の人の平均になる、ということを言っています。

それほど、私たちは周りにいる人からは影響を受けるわけです。好むと好まざるとにかかわらず影響を受けてしまうので、より成長したいと願うなら、自分がなりたいと思う人たちと過ごせる環境を整えることが重要です。そうしないと、努力するほど疲弊してしまう、という残念な結果を招きかねません。ある意味、身近にいる人たちが、自分の成長のカギを握っているのです。

勝間 和代(かつま・かずよ)
経済評論家/株式会社監査と分析取締役/中央大学ビジネススクール客員教授

1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。著書に『勝間式食事ハック』(宝島社)、『勝間式超ロジカル家事』、『勝間式超コントロール思考』『ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』(以上、アチーブメント出版)などがある。