コロナ禍、家にいる時間が増え資格の勉強を始める人も多いだろう。しかしそこには落とし穴がある。経済評論家の勝間和代氏は「新しい資格や技術を身につけるとき、稼ぎたいなら、それを生かせる場がどのくらいあるかを調べるのが鉄則で、その候補は10や20でなく、100~200挙げるつもりでやってほしい」という。その真意とは――。

※本稿は、勝間和代『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

時計がばらばらになっていくイメージ
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下手したら能力は0.5割で、多くても2割

どんなに抜きんでた才能や資格、技術があっても、それを生かす場を確保できなければ有効活用もできず、収入につながりません。稼ぐには、自分の能力とそれを最大限に生かせる環境とのマッチングが必要不可欠です。

稼げるかどうかは自分の能力が1割、環境因子が9割です。下手したら能力は0.5割で、多く見積もっても2割でしょう。もし、何かの資格の取得や技術の習得をしようと思ったら、まずはそれらを生かせる環境について調べてからにしてください。そうしないと、せっかくの自己投資が、時間や労力、お金の無駄遣いになってしまいます。

自分に「箔をつける」工夫を

自己投資は、環境とのバランスを図った上でするのが基本です。女性の場合は、女性だからというだけで割を食う業界や業種、企業は最初から避けることをお勧めします。そうした企業の体質は、何十年も前から脈々と続いているものです。就職した後で待遇改善を訴えたところで、残念ながら個人が変えることはほぼ不可能だからです。

さらに、自分を生かせる環境を手にするための努力や工夫も、手を抜いてはいけません。例えば、出身大学よりも偏差値やブランド力が高い大学院や、希望する業界で評判がいい社会人大学院に行って最終学歴に箔をつける、いわゆる「学歴ロンダリング」もその一つです。そうすることで、よりいい条件や待遇の企業に雇ってもらえる確率が上がります。