新しい環境の候補を増やすことに時間を使う
たとえ優秀な人でも、自分の能力を最大限に生かせる環境は限られているものでしょう。それなのに、多くの人は全体の1割程度にすぎない自己投資にばかり必死になって、環境を探す努力をあまりしません。私は、環境を探すときは、候補を100~200は挙げるつもりでやったほうがいいと思っています。何事も、選択肢は多ければ多いほどいいに決まっているからです。
えてして、新卒で就職するときでも10~20の会社、転職するときは3~4の会社の中から、無理やり選ぼうとしていないでしょうか。無理やり選ぼうとする時点で、自分にベストマッチングする環境を見つけようとする姿勢とは言えません。妥協して、環境に自分を合わせようとしています。
選択肢をたくさん用意するのは手間がかかり、その中から一つを選ぶのも時間がかかります。しかし、選択肢を山のように用意すると、ピンとくる選択が必ずあるのです。あ、これだ! と直感的に察知できます。裏を返すと、ピンとくる選択肢と出合うまで、選択肢を増やすことに時間を使うべき、ということです。
焦りや衝動、謙遜を捨てる
早く決めて安心したいという焦りや、とにかく今の会社を辞めたいという衝動、あるいは、自分は若くもないし大したスキルものないから職場を選ぶ立場にない、といった謎の謙遜もすべて捨ててください。
そして改めて、どんな仕事に興味があるのか、と自問して、それについての本を読んだり、経験者に会って話を聞いたりしましょう。資格の取得や技術の習得は、その後ですることなのです。さらに、転職先を探すのは、手にした資格や技術を元に副業を始めて、ある程度経験を積んだ後がいいと思います。
転職は3~5年、起業は5~10年かかって当然
転職をするときは、転職先を確保してから現職を辞めるのが鉄則です。現職を続けながら転職先を探すことになりますから、3~5年かかることがあって当然です。そのぐらいかかるものだと思って進めれば、余裕を保ちやすく、選択肢をより増やそうという気持ちにもなれると思います。
起業する場合は、起業を夢見てから実現するまでに5~10年はかけるべきでしょう。5年だとちょっと早いかもしれません。そのぐらい、起業は慎重になったほうがいいと思います。