50歳になる子供の工作をとっておく親

50歳にもなる子供の幼稚園の頃の工作も実家には残っています。片付けをしていれば、一瞬は手を止めて懐かしさにひたることもあります。もしかすると本人にはその頃の記憶はないかもしれません。ほとんど壊れているその工作は確かに思い出の品ではありますが、とっておく程のものではないと思えます。でも、親からしてみれば、自分の子供が可愛くて仕方がなかった頃、一生懸命つくって家に持って帰ってきた頃のことを覚えています。

手芸のワークショップ
写真=iStock.com/Wojciech Kozielczyk
※写真はイメージです

高齢者になると少し前のことは忘れても、昔のことはよく覚えているということがよくあります。

何かに執着することが悪いこととは思いません。執着があるからこそ、それを守るために生きる活力が生まれることもよくあります。ただし、行き過ぎた執着は無駄な怒りを生むことになり、その怒りによって余計な問題を起こしてしまうことを忘れないようにしたいものです。

高齢者が怒りっぽくなる個人的な理由②“孤独感”

次に「孤独感」です。孤独も高齢者を怒らせるものとして大きな理由です。

自分が孤独であることを好んでいる人は問題ないのですが、望んでいないのに孤独だと感じている人は怒りについて問題を抱えることになります。

孤独感は家族がいても、友人がいても、職場があっても関係ありません。たった一人でいても孤独感を感じないどころか、それを楽しい、居心地が良いと感じる人もいます。逆に周りに人が多くいればいるほど、孤独を感じることもあります。孤独とはその場にいて自分の居場所がないと感じることです。

なぜ孤独感がマイナス感情になるのかと言えば、次にあげる「自己顕示欲」にも関係してくるのですが、人は常に大なり小なり誰かに認められたいと思っています。人に認められることで自分の存在価値を確認しています。

孤独感の強い人は、誰かに認めて欲しい、受け入れて欲しいと思っているので、自分が認めてもらうために余計なことをしてしまうことがあります。