まずは3カ月分の生活費から 貯蓄をしながらコア資産を積み上げる
まずは不測の事態に備えるために、半年分の生活費を預貯金で蓄えます。生活費が3カ月分を越えたあたりから、預貯金中心に加えて、投資経験を積むため1000円や3000円など少額でつみたてNISAを開始してみましょう。
生活費半年分が貯まったら、つみたてNISAでの投資額を増やしていきます。月の上限額に達したら、次に並行して、iDeCoを開始しましょう。可能な範囲で拠出していき、こちらも上限に達するよう目指します。まずはコア資産をつくる時期ですから、インデックス型やバランス型の投資信託を中心に投資資産を選んでいきます。
つまり、最初の100万円を貯めるためのポートフォリオは、預貯金と投資信託で組むことになります。
資産全体が300万円ほどになれば、毎月預貯金に回す割合は減らしていってOKです。つみたてNISAやiDeCoを上限いっぱいまで積み立て、さらに資金に余裕があれば、個別株などサテライト資産を増やしていくのがよいでしょう。
40~50代に適したポートフォリオは「長期投資の継続」
40~50代でも、つみたてNISAやiDeCoによる長期積立投資を行うことが望ましいでしょう。すでに積立投資を行っている人はそのまま続けること、一切行っていないという人はまず始めることが大切です。
また、すでに積立投資を行っている人は、米国債や金投資などでコア資産の積み上げを行いつつ、株やFXなどでの短期運用の割合を徐々に増やしてもよいでしょう。コア資産が十分につくれていれば、サテライト資産での運用を活発化させます。
60歳になるとiDeCoが利用できなくなります(2022年5月からは65歳)が、つみたてNISAは年齢上限がないので利用できます。
また、FIREの流れを汲んで高配当銘柄への投資もおもしろいでしょう。その際も分散投資を心がけましょう。特定の銘柄に集中投資してしまうと、企業の業績悪化とともに資産が大きく減ってしまいます。
Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(@yorifujitaiki)
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年前後のお金の強化書』(きんざい)など多数。FP Cafe運営者。