「攻めの資産」と「守りの資産」 投資の基本はコア・サテライト戦略

資産の配分を考える際は、自分の資産を「無リスク資産」と「リスク資産」に分けて考え、預貯金や国債などの無リスク資産を確保しましょう。リターンを積極的に狙いたいという人であっても、着実に資産形成していくためには、必ず守りの資産をつくっておく必要があります。

守りの資産をつくるという戦略は、図表3でも紹介するように、機関投資家も行っている基本となる運用戦略です。

投資の基本となる考え方に「コア・サテライト戦略」というものがあります。

資産を安定的に運用する「コア」と、積極的に運用する「サテライト」に分け、自己の資産のうち、コア部分を7~9割、サテライトは残りの1~3割で運用する手法です。コアとなるのはバランス型・インデックス型の投資信託や債券、サテライトとなるのがアクティブ型の投資信託や株式、FXなどの値動きの大きな金融商品です。

GPIFは資産ポートフォリオのお手本

世界最大と言われている機関投資家は、私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。

年金を預かっているゆえに運用の失敗が許されないGPIFが、安定的に利益を増やすことができているのは、コア・サテライト戦略を守ってポートフォリオを組んでいるからです。

いかに資金を減らさず、増やすかを考えられたGPIFのポートフォリオは、堅実に運用したい人にとって参考になります。

GPIFの運用先は、国内外の債券、国内外の株式の4項目で、それぞれに25%ずつ投資しています。また、時価の変動などによって配分が微妙に変化していきますが、たとえば国内債券は±7%までならこの配分から乖離してもよいと決められています。この配分を守っていることで、GPIFは2001年以降の収益率は3.37%、累積収益額は85.3兆円に及びます。