改めてキャリアについて考えたきっかけ
女性の働き方を見つめ直す中で、改めて「キャリア」についても考え始めた。きっかけは社内で女性活躍促進団体「Women Impact Network Japan」を立ち上げ、ダイバーシティについて勉強したこと。日本では女性のマネジャー層が薄いことが課題になっている。一方で女性は男性以上に完璧を求める傾向があるという調査もあり、自分もそれが足かせになっていたことに気づく。
「実はもうマネジメントは嫌だなと思っていて。無理なく働ける方がいいかなと思いながら復職したんです。けれど、女性がキャリアアップを目指すことは重要なこと。私はまだまだチャレンジしていないと思えるようになったんですね」
本部長としての初めての評価は最悪
宮野さんはもう一度チャレンジのチャンスを与えられた。2019年6月、Eコマース事業本部で本部長に昇進。営業部3チーム、企画部1チームを率いることになる。初めて管理職になり、意欲満々でがんばっていた。が、その矢先、またもショックな出来事があった。
年一回、全社で実施される社員アンケートで、宮野さんのチームの評価は非常に悪かった。働きやすさはどうか、その部署で安心して発言できるか、などさまざまな質問があるアンケートで、部下たちが満足していない項目が多数あるという結果が出たのだ。マネジャーとして『不合格』と言われた気がして、何度もファイルを開けては、また閉めることを繰り返した。
そのとき宮野さんは初めて周りの先輩マネジャーたちに意見を聞いてみた。するとアンケートの捉え方は人それぞれ違い、多様な見方があることがわかった。
「ある方には『良かったじゃん。組織として成長できるチャンスがすごくあるってことだね』と言われたのです。スコアが悪いということは、まだまだ組織として改善できることがある。『宮野さんはマネジャー1年生だけど、組織も一年生だから』と。なるほどと思って、ファイルを閉めることはもうやめました(笑)」。