Q. 新型コロナワクチンを接種すると、感染していなくてもPCR検査や抗原検査で陽性になることはありますか?

A. いいえ、新型コロナワクチンを接種しても、感染しているかどうかを調べる検査(PCR検査や抗原検査)で間違って陽性になることはありません。検査では、新型コロナウイルスの遺伝子やたんぱく質を見つけようとしますが、それらはワクチンに含まれている遺伝子や、ワクチンの作用で体内で作られるたんぱく質とは異なるからです。一方で、過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる検査(抗体検査)では、ワクチン接種で体についた免疫が抗体を作るため、陽性になる可能性があります。いずれにせよ、新型コロナワクチン接種を受けたために、新型コロナウイルスに感染していると間違って診断されることはありません。

Q. 新型コロナワクチンで新型コロナの後遺症も治りますか?

A. 新型コロナウイルス感染症から回復後、倦怠感や息切れ、脱毛、気分の落ち込みなど多岐にわたる症状が出て、持続する人がいることが報告されています。現時点では治療法などは確立されておらず、新型コロナワクチンの接種によって長引く症状が改善したり、症状が出にくくなったりするかどうかもまだわかっていません。しかしワクチン接種の広がりによって、後遺症が出る人を減らすことができるのではないかと期待されています。

Q. 新型コロナワクチンの接種が始まったら新型コロナは終息し、以前の生活に戻れますか?

A. ワクチンにより集団免疫を獲得できれば、新型コロナが終息し以前の生活に戻れると考えられますが、それがいつになるのか、現時点では正確には予測できません。

どのくらいの割合の国民がワクチン接種を行えば集団免疫を獲得できるかは、感染症の種類によって異なります。例えば、麻疹では95%、ポリオでは80%の国民がワクチン接種を受ける必要があります。新型コロナウイルスに関しては、理論的には全人口の60~90%がワクチン接種を行えば集団免疫を獲得できると推測されています。しかし集団免疫が獲得できるか否かは、ワクチンの接種率以外にも、既存のワクチンに対して抵抗性のある変異ウイルスが流行するかどうかや、ワクチンの効果がどれくらいの期間持続するかにも影響を受けるため、理論通りにいかない可能性も十分にあるのです。

ワクチン接種に伴い新型コロナの感染拡大の勢いが収まってくれば、外出やイベント開催などの制限緩和が少しずつ進むと予想されます。しかし大多数の国民がワクチン接種を終えるには長い期間を要すると予想され、少なくとも当面は、感染予防策をまったくしなくてよくなるのは難しいと考えられます。