子を産めば産むほど生活が楽になる

他にもいろいろ制度があるようですが、ハンガリーでは子を産めば産むほど生活が楽になり、子の教育にもお金をかけられるという制度を目指しているようです。

そしてその結果、子を希望するハンガリー人は過去10年で2割増加、2020年の婚姻数は前年比6.7%増と43年ぶりの高水準で、離婚数も60年前の水準まで低下。妊娠中絶数も36%減ったそうです。

難民などの移民を拒否して話題になったハンガリーですが、移民に頼らずとも少子化対策・人口減少対策は(ある程度は)できるのだ、ということを示しています。

一方日本では、現在は体外受精には所得制限はなく、保険適用化は菅政権の目玉政策として検討が進んでいるものの、子だくさんだろうとなかろうと、親の所得で子育て関連のほぼすべてが制限されます。

ハンガリーとは「制度設計の思想が根本的に違う」ということに愕然としないでしょうか。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。