チームの実力以上の目標が降りてきて、マネジメントに苦労した経験はないでしょうか? リクルートでプレイヤーとマネージャー両部門で全国トップを4回も経験し、現在は数々のリーディングカンパニーにマネジメント研修を行う伊庭正康さんが語る、一人ひとりが主体的になれるチームマネジメントのノウハウとは――。

※本稿は、伊庭正康『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

ナイスアイデア
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どんなときでもメンバー全員が「目標数字」を言えるか?

リーダーが目標達成への情熱を持ち続けてこそ、部下は本気になります。

部下を主体的に行動させたいのであれば、リーダー自身が目標にこだわり続けなくてはなりません。リーダーが、目標について言わなくなったら終わりです。そしてそのうえで、部下にも目標へのこだわりを求めるのです。

部下の目標へのこだわりを知るための、おすすめの方法を紹介しましょう。“不意打ち”で、常に次の3つのことを尋ねるのです。

質問① 部下自身の目標数字……「ところで、目標はいくらだっけ?」
質問② 最終着地の見立て……「最終的には、どこまでいける?」
質問③ 不足があるなら、対策の仕立て……「どんな対策を打つ?」

これらを、「しつこい」と思われるくらいに、ことあるごとに聞くのです。

リーダーはそのくらいの熱量で、各メンバーの目標にコミットしないといけない、ということです。部下は、リーダーの一貫性に触れてこそ、本気になります。

実際にやってみると、意外や意外、目標設定時はボルテージが高くても、不意打ちで尋ねると、自分の目標を忘れてしまっている部下は少なくないものです。

対話で、部下の意識を高めていく

何度尋ねても、きちんと意識させても、どうしても答えられない部下はいます。

このとき、責められるべきは部下ではなく、リーダー自身です。まだその部下には、目標に対するリーダーの熱量が伝わっていないのです。

そんな状況であればこそ、リーダーは、各メンバーの目標数字を、どんなときでも言えるようにしておきましょう。記憶力に自信がなくても大丈夫。記憶力の無い私が実践しているやり方を紹介します。