リーダーが部下に声をかける前に確認する2つのこと

部下に声をかける前に、手帳を広げ、2つの数字を確認します。メンバー全員の「目標数字」と、「見えない残額」です。

【上司】目標はいくらでしたっけ?

【部下】えっと、いくらだったかな……。

【上司】たしか、2500万円のはず。今、自分で確認してみませんか。

【部下】あっ、はい。2500万円です。

【上司】そうですよね。ところで、今日の段階で、読めない数字はいくらですか? 先週は、あと350万円と言っていたけど……。

【部下】はい……えっと、50万円の契約がとれたので、あと300万円です。

【上司】おー! かなり縮まりましたね! やりましたね。

ミーティングに参加する女性
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

このように、対話の中で、部下の意識を変えていくのです。あなたの一貫した言動によって、チーム全体の目標への意識を高めていきましょう。

NG 「説教」で意識を高めようとする
部下が自分の目標に対して自覚を持っていないとき、責められるべきは、部下ではなくリーダーであるあなた自身です。
OK 「質問」で意識を高めようとする
リーダー自身がそれぞれの各メンバーの目標と現状を理解したうえで、適宜質問をして、部下にその数字を意識させるようにします。

メンバーを「平等」ではなく「公平」に扱う

アメリカのフランクリン・コヴィー社が行った調査によると、「毎週、チームの目標に沿って自分のするべきことを列挙し、予定に組んでいると答えた人」は、わずか32%ということです。2004年のアメリカでの調査なので、今の日本とは前提が異なりますが、十分にうなずけるデータでしょう。

もちろん、誰もが個人目標を達成する努力はしますが、あくまで自分の目標のためです。チームの目標が達成できていなくても、自分の目標が達成していたら、そこで終わり。それ以上に頑張る人は、3割程度しかいない、というわけです。

また、個人目標の達成が厳しいときでも、人は努力しようとしなくなります。

「今回は目標の90%で終わりそうだ。無理するより、次に温存しておこう」

こういった心理が各メンバーに働くことは少なくありません。チームがギリギリ目標達成するかどうかというときに、こういう人がいては、足を引っ張ってしまいます。