注目の投資対象3.不動産

そして伝統的に人気なのはやはり不動産、特に都市部の居住用物件です。

コロナで地方移住が増えたとはいえ、それは依然として少数派。人はやはり便利でチャンスも多い都市部を好みます。

それに、事業用物件では不景気や業績悪化で撤退というリスクがありますが、どんなに不景気になっても社会環境が悪化したとしても、個人はどこかに住まなければなりません。

コロナで自粛といっても、だから住まいが不要な人はいない。せいぜい、家賃が安い物件に引っ越すぐらいでしょう。

また、相続対策としても需要が根強いこともあり、値段を下げなくても買う層が一定数いることから、値段があまり下がっていません(物件やエリアにもよりますが)。

外国人客の往来が止まったことで民泊やゲストハウス需要はほぼ消失しましたが、それらをワーケーション施設にリノベーションしたり、あるいはサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)や、最近では障害者グループホームなど、富裕層が目を付ける不動産の運用方法は社会情勢や環境変化に合わせ、都度「柔軟に」形を変えています。

注目の投資対象4.農業

私自身が農業に参入してから、アグリテック(農業とIoTを融合させたハイテク農業)分野のベンチャー企業との交流が増えたのですが、彼らから聞くのが「最近は富裕層や投資家(VC:ベンチャーキャピタルを含む)からの問い合わせが増えている」という話です。

農家の高齢化や後継者不足、あるいは耕作放棄地の増加といった問題は誰でも知っていると思いますが、その課題を解決すべくテクノロジーを持ち込み農業に参入するベンチャー企業や起業家がいます。

たとえば日本の高級フルーツはアジアの富裕層に人気の輸出商品ですが、フルーツに限らず高付加価値産品を作って「儲かる農業」に変える人や起業家がいる。そしてそれらを「投資対象」として物色している人がいるというのです。

たとえばハウスで温度や湿度を遠隔監視しながら、土や肥料を使わず養液栽培をする設備への投資や、LEDによる疑似太陽光による無菌栽培・無人運営する工場への投資、そういうベンチャー企業への投資(エクイティ投資)など。

そんな話を聞くと、私も農業の可能性に興味をそそられます。