血管ケアは「酸化」と「炎症」の予防が鍵。歯周病ケアも忘れずに

現状ではリスクが低かったとはいえ、大切なのはこれからの生活習慣。しなやかな血管を維持するための「正しい血管ケア」について、内科医・認定産業医で予防医療のスペシャリストの桐村里紗先生に聞いた。血管ケアのポイントは「酸化」と「炎症」の予防だという。

抗酸化
・ビタミンACE
特に過酸化脂質の予防にはビタミンEが重要。ナッツ類、種子類、米油などを摂る
・ファイトケミカル類
彩りのいい野菜や海藻、豆類、キノコ類、雑穀類などを組み合わせてしっかり食べる
質のいい油を摂る
【避けるべき油】
・オメガ6系脂肪酸(サラダ油、大豆油、紅花油、綿実油、ヒマワリ油、コーン油、加工油脂に多く含まれる)の摂り過ぎに注意
・トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング、加工油脂類に含まれやすい)
【摂るべき油】
・オメガ3系脂肪酸
→亜麻仁油、エゴマ油、麻の実などに含まれるαリノレン酸(ただし加熱で劣化・酸化するので非加熱で使用する)
→サバ、イワシ、アジなどの光り物に多く含まれるEPA・DHA(養殖よりも天然を)、しっかり摂取するなら天然由来のサプリメントも利用(クリルオイルが良質な傾向)
腸内環境の改善
腸が炎症を起こしてリーキーガット症候群を引き起こすと体内にアレルゲンや毒素が侵入して全身の血管内の炎症を引き起こすため、腸内環境を良くすることが大切。
腸活の基本はシンバイオティクス(有用な善玉菌を含む発酵食品と、腸内細菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を合わせて摂ること)。

「食事に気をつけていても、歯周病ケアを忘れたら元も子もありません。P.ジンジバリス菌などの歯周病菌は簡単に体内に侵入し、動脈硬化と血栓の原因になります。歯周病ケアは①ブラッシング、②フロッシング(歯間ケア)、③イリゲーション(水流洗浄)を基本に、定期的な歯科の受診も大切です」(桐村先生)