素人でも儲かる唯一の方法
ドルコスト平均法とは、たとえば、毎月1万円ずつ投資信託を買うという方法です。ある月の値段が1口5000円だったら2口買えます。それが翌月になって1口2500円に値下がりしたら損をしたと腹が立ちます。しかし、その月は4口買えます。逆に、1口1万円に上がったら儲かって嬉しいのですが、その月は1口しか買えません。
つまり、毎月一定額を買っていれば、結果的に安いときにより多く買っている計算になります。そして、現金が必要になったら、そのときの値段を見て、儲けが出ていれば売る、という単純な話です。損が出ていれば、儲かるまで待てばいいのです。つまりドルコスト平均法は「長期投資」とほとんど同義なのです。
素人でも儲かる確率の高い投資を行おうとすれば、この方法以外にはないといわれています。
日経新聞には投資信託の運用実績の番付が定期的に発表されますが、それを見ているとトップクラスはドルコスト平均法を主体としたものばかりです。ドルコスト平均法はプリミティブな方法ではありますが、同時にとても実践的な方法なのです。
ドルコスト平均法は若い人にはいいが、年をとってから始めても遅いのではないかと疑問を抱く人がいます。投資にかけられる時間が若い人たちほど長くはないので、あまり効果が出ないのではないかということです。しかし、年をとってから始めても、僕はまったく問題ないと思います。
現在は人生100年時代。
60歳で投資を始めても、まだ時間はたくさん残されています。
子どもが独立したら、あとは神様の思し召し次第
ということで、一般人がお金を殖やすにはドルコスト平均法がいいという結論に落ち着きます。
でも、そもそも私たちは何のためにお金を殖やしたい、貯めておきたいと思っているのでしょうか。
投資か貯蓄かという問題は、経済的な損得だけで判断できる問題ではなく、その人の人生観とでもいうべきものと深く関わっています。死ぬまでずっと通帳の残高が増え続けることを無上の喜びとする人もなかにはいるでしょう。ですが、たいていの人はそこそこの金額があればそれでいいと考えているのではないでしょうか。
ロンドンで勤務していたとき、イングランド人の人生観に触れることができました。彼らは子どもが18歳になって独立したら、たいていの人が生命保険を解約してしまいます。親の責任として子どもを育て上げたから、もう義務は果たした、あとは神様の思し召し次第というわけです。生命保険をやめることは貯蓄をやめることとほぼ同義です。日々生きていくだけのお金があれば、それでいいと彼らは考えているのです。