ビオフェルミン製薬に務める山下明子さんは入社以来、ずっと東京支店勤務だ。が、上司も部下も神戸本社勤務のため、山下さんは入社以来、マネジメントイコール「リモートマネジメント」な環境で、指導され、指導し、働いてきたという。コロナ渦でリモートマネジメントをせざるを得なくなり、部下の様子が見えないことに悩む管理職は多いが、山下さんの場合は、むしろコミュニケーションが円滑になったそうだ。今、山下さんが心がける部下とのコミュニケーション法とは?

薬学部を卒業後、2001年に入社

ビオフェルミン製薬 学術情報グループ 副主事 山下明子さん
写真提供=ビオフェルミン製薬
ビオフェルミン製薬 学術情報グループ 副主事 山下明子さん

「人にはヒトの乳酸菌」でおなじみのビオフェルミン製薬に山下明子さんが入社したのは2001年。大学の薬学部で学び、恩師の勧めで受験したのだが、「恥ずかしながら、うちの会社の存在をまったく知らなくて。製品は知っていたし、CMもよく見ていたのですが」と明かす。

実は今年で創業104年になる老舗の製薬会社だ。1917年に神戸で日本国内初の乳酸菌整腸薬を製造。以来、各種の乳酸菌やビフィズス菌を活かした医薬品、栄養補助食品等を販売してきた。その会社で、山下さんは東京支店(現・東日本支店)へ配属になる。営業事務を担う部署で、メインの業務は顧客電話対応だった。

「一般の方からの問い合わせは基本的に弊社の製品に関するものでした。『自分は下痢がひどいのでこういう時に飲んでいいのか』とか、処方量やタイミングなど、薬の飲み方が多いですね。たまに世間話をされる方、ご自身の人生相談のような内容もありましたけれど」