ノリだけの人より「地味な人」のほうが実はおもしろい

そして最大の共通点は、自分のことを地味だという人に限って、感情を語り出すようになると、とても個性的でおもしろい人が多いということです。逆に若い頃、お笑い芸人をやってましたというような、「私、おもしろいんです!」と言いたげな人のほうが、ノリのよさで押し切られそうになりがちですが、話をよく聞くと、独自の視点をあまり持っていない人だと感じることも多くあります。

だから地味な人というのは、生まれながらに個性が強く、何もしなくても目立ってしまうので、人生のある時期に「自力で地味になった人たち」なのではないかと、最近、思うようになりました。それくらい、皆さん独特な方ばかりです。

いずれにせよ、私のトーク教室に参加してくれて、地味だと言っていた人が、自分の個性を他人に発信し、それを受け入れてもらえる感覚を自覚した時、とても嬉しそうな顔をします。そしてその時、その人の本当の姿を見たような印象を受けます。

ですから今、この記事を読んでいる「自分は地味だ」と感じている人には、特にここで述べたテクニックを活用し、積極的に「おもしろい話」をすることにチャレンジしてほしいと思っています。 

渡辺 龍太(わたなべ・りゅうた)
放送作家、即興力養成講座講師

幼少期から口数が極端に少ない性格だったが、アメリカ留学時に受けたインプロ(即興力)がきっかけとなり、以降日本人向けの即興力研究に注力。帰国後、NHKのディレクターに就任。番組出演者への即興力アップの指導も開始。現在は大手芸能事務所「浅井企画」のプロ芸人向けのアドリブ講座や公開講座でインプロ講師としても活躍中。