感情の高まりが「おもしろさ」を感じさせる

しかし、こんな半身浴の話でも、半身浴に対する、感情の高まりが、話の端々に自然と表れていれば、おもしろくなることもあります。たとえば、そのタレントがMCから話を振られた時、具体的な半身浴の効能に一切触れなくても、自分の感情をストレートに話していれば、こんな感じの会話になるはずです。

タレント「私、これまで仕事で断食とか、色んな健康系の企画をやっているんですけど、どれもツラくて嫌だったんです。でも、半身浴は私にすごく合ってるみたいで、もう最高なんですよ! スタッフさんからも、そこまでしなくていいって引かれ気味なんですけど、実は毎日、気づいたら5時間ぐらい半身浴してるんです!」

【MC】5時間⁉ そりゃすごい、ふやけちゃいそうだね(笑)! なんでそこまでハマれるの?

モダンなバスルーム
写真=iStock.com/Gladiathor
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【タレント】なんか、断食とかはツラい挑戦なんですけど、半身浴は癒やしなんです! ただお湯に体の半分だけ浸かって、ボーッとしてスマホをいじったり、動画を見てるだけで、一瞬で時間が過ぎ去ってく感じで、時間を忘れちゃうというか。もし、法律で半身浴が禁止されたとしても、捕まるの覚悟で半身浴しちゃうと思います(笑)!」

ウケなくても、それなりに聞いていられる話に変身

別に特段おもしろい話になるわけではないのですが、感情の高まりによって「この人はよくわからないけど、とにかく半身浴が異常に好きな人なんだな」ということが自然と受け入れられます。感情の高まりによって、「なんだかわからないけど、変な人だな。ちょっとおもしろいかも?」なんて具合に、声を出して笑うような話ではなくても、それなりに聞いていられる話として機能するわけです。