身近なことから「自分事化」してみよう

まずは日頃から一見「関係ない」と思えることにもアンテナを張り、自分事に捉えることからスタートしてみましょう。このニュースから自分は何を思うのだろう、この本からどんな学びがあるかな、と自分の気持ちと向き合います。そこで出てきた持論を言語化します。言語化能力は聞く相手がいてこそ磨かれるので、人に伝えるのはもちろんのこと、SNSを活用して発信していくのも効果的です。初めは自分のノートや手帳、スマートフォンの中だけに書き溜めていくのも良いと思います。

ちなみに私はYouTubeをよく見るのですが、好きな女性YouTuberの共通点を分析することで、自分の理想の女性像や大事にしている価値観を改めて知ることができました。若い世代に大人気のYouTuberさんのコメント欄なども研究することで、今の若い人たちはどのような人に憧れるのだろう、と価値観を分析することも日課になりました。このように自分が楽しめるものから始めてみることをおすすめします。

オンラインコミュニケーションが主流になると、良い意味でも悪い意味でもコミュニケーションの強制力が薄くなります。「関係ない」と一度思うとそれが癖になり、ますます言語化能力を磨く機会が減ります。人と関わる強制力が薄くなることで、自分で自分を磨く意志のある人しか成長できない世界になっていきます。言語化能力だけでなく、人間力にまで差が開いていくでしょう。

身近な話題を自分事として捉えるだけで、言語化能力だけでなく、物事の本質を見抜く力も養われていきます。ぜひこの時期をご自身のさらなる成長の機会にしてほしいと思います。

桑野 麻衣(くわの・まい)
コミュニケーション講師

1984年埼玉県生まれ。学習院大学卒業後、全日本空輸株式会社(ANA)に入社。グランドスタッフとして、7年間で100万人を超えるお客様サービスに携わる。その後ジャパネットたかたや再春館製薬所グループ企業にて教育研修を担当し、独立。著書に『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』『部下を元気にする、上司の話し方』『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』(以上、クロスメディア・パブリッシング)、『「また会いたい!」と言われる 一流の話し方』(明日香出版社)などがある。