言語化能力が高い人が当たり前にやっていること

前の項目では物事に対して、「第一声から断定する」ことの重要性をお伝えしてきました。断定せずにグレーゾーンに逃げる癖がつくと、そもそも言語化する必要がなくなり、言語化能力を磨く機会も失ってしまうからです。

桑野麻衣『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』(クロスメディア・パブリッシング)
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続いて大事になってくるのは、断定した後に自分の言葉で意見や思いを語ること。

そこであなたに日頃から心がけてほしいのが、どのような出来事に対しても「自分事として捉えて、持論を言語化する」ことです。

言語化能力の高い人は常に脳内で言語化が行われています。言語化能力を高める機会をそもそも多く作っているのです。自分の身の回りで起こったことはもちろん、ニュースやドラマを見ても、インターネットやSNSで誰かの価値観に触れた時も自分事に捉えています。どのような場面に遭遇しても「自分には関係ない」とはならず、そこから何を学べるかという視点で物事を見ています。それを続けるうちに「物事の本質」を見抜く力も身についていきます。

そう思うようになったのは、企業研修をする中での多くの参加者との出会いがきっかけでした。研修という同じ機会は与えられているものの、その学びを自分自身に100パーセント活かせる人とそうではない人がいます。それは個人の能力の問題ではなく、何かを学んだ時に「自分事として捉える姿勢」や「自分に置き換えられる力」があるか否かが大きく影響しているように思えたのです。

「自分には関係ない」ことこそ自分事化する

もちろん講師である私が設計はするものの、自分事に捉える力のある人は自ら研修での気づきを学びに昇華させ、現場ではどのように活用していこうかと考えます。その姿勢は言語化能力を高めるだけでなく、物事の本質を見抜く力にも繋がるので「役に立たなかった」「自分には関係のない話だった」という結末にはなりません。

「自分には関係ない」と思った瞬間に人の成長は止まることを知りました。

自分自身を高め続けられる人の生きるヒントをみなさんに教えてもらった瞬間でした。