「経歴が評価された」は思い違い
転職活動の経験者には、「ヘッドハント」や「スカウト」という言葉を聞いたことのある人も多いかと思います。こうした勧誘があると、「自分の経歴が評価された」とつい喜んでしまいがちですが、実際のところはどうなのでしょうか。まずは、それぞれの内情を解説したいと思います。
ヘッドハントは、基本的にエグゼクティブクラスだけを対象に行われるものです。「A社の経営者があなたに会いたいと言っている」と名指しで連絡があり、具体的な面談日時まで提案されるのが一般的。行動の主体は企業とヘッドハンターであり、声を掛けられる側は、必ずしも転職を希望しているわけではありません。通常は自らが希望して「ヘッドハントされる」のではないのです。
時々、「ヘッドハンター」を名乗る人から職場に電話がかかってきたという話も聞きますが、前述の通り、ヘッドハントは名指しで行うもの。名前や面談日時などの具体的な話がなければ、やみくもに掛けた営業電話の可能性が高いので、惑わされないでほしいと思います。
一方、スカウトは一般的な転職者も対象になります。求人サイトや転職エージェントに登録したら「スカウト」と書かれたメールが送られてきた──。こんな経験をした人も多いのではないでしょうか。
こうしたメールは、企業側が対象者を選んで送っている場合もありますが、たいていは求人サイトによる一斉送信。誰か一人にではなく、何百人もの不特定多数に送られていることがほとんどです。